テラーノベル
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夜。
バーの奥のソファ席。
照明は暗い。
テーブルの上にはウイスキー。
チャンスはいつものように座っている。
黒いシャツ。
腕を組んでいる。
そして――
サングラス。
エリオットはそれを見て笑う。
「なあ」
チャンスはグラスを持ったまま言う。
「何だ」
エリオットは身を乗り出す。
「夜だぞ」
チャンスは淡々と答える。
「だから何だ」
エリオットは指をさす。
「それ」
サングラス。
チャンスは少し笑う。
「気にするな」
エリオットはニヤッとする。
「気にする」
チャンスはグラスを置く。
「なんで」
エリオットは少し考える。
それから言う。
「俺」
少し笑う。
「お前の目好きなんだよ」
チャンスは一瞬黙る。
「……」
エリオットは続ける。
「でもさ」
サングラスに指をかける。
「これのせいで見えない」
チャンスは手を掴む。
「触るな」
エリオットは笑う。
「恥ずかしい?」
チャンスはため息をつく。
「酔ってるな」
エリオットは首をかしげる。
「少し」
それから。
ゆっくり言う。
「でも」
チャンスを見る。
「ちゃんと見たい」
チャンスの眉が少し動く。
エリオットは手を伸ばす。
今度は止めない。
指先で。
そっと。
サングラスを外した。
チャンスの目が現れる。
エリオットは少しだけ見つめる。
数秒。
それから小さく笑う。
「やっぱ好き」
チャンスは少し視線をそらす。
「……何が」
エリオットは近づく。
ソファの距離はほとんどない。
「全部」
チャンスは低く言う。
「適当だな」
エリオットは笑う。
「じゃあ証明する」
チャンスの眉が上がる。
「どうやって」
エリオットは答えない。
代わりに。
チャンスのシャツの襟を軽く掴む。
ぐっと引き寄せる。
チャンスが少し驚く。
そのまま――
キスした。
不意打ち。
でも短くない。
チャンスの手がエリオットの腕を掴む。
数秒。
ゆっくり離れる。
エリオットは少し得意そうな顔。
「証明」
チャンスは数秒黙る。
それから低く言う。
「……お前」
エリオットは笑う。
「何」
次の瞬間。
チャンスがエリオットの腰を掴んだ。
ソファに押し倒す。
「うわ」
チャンスは顔を近づける。
さっきより低い声。
「それで終わりだと思うな」
エリオットはニヤニヤしている。
「思ってない」
チャンスはサングラスをテーブルに置く。
「今日は」
エリオットを見る。
「外しとく」
エリオットは笑った。
「やっとか」
チャンスは少しだけ口元を上げる。
それから。
もう一度キスした。
今度は――
チャンスから。
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