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「ハルカ。私、思い出したかもしれない」
ミナミの声は、少し震えていた。
黒羽館の祠の前で、彼女はぽつりぽつりと語り始めた。
「小さい頃、よく“夢の中で動画を撮る”女の子と遊んでた。
毎晩一緒にカメラを構えて、旅館みたいなとこで、心霊ドキュメンタリー撮っててさ」
「それって……」
「うん。きっと“あの子”だったんだよ」
「その夢の中で、最後、彼女は……階段から落ちて、カメラが割れて……
“夢が終わった”って、言って消えたの」
そのとき、旅館の奥の扉が“ギィィィ……”と音を立てて開いた。
二人は互いに目を見合わせ、うなずいた。
「……行こう。あの子の“最後のカット”を撮りに」