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#夢小説
さらん
3,884
さたん📖🕊️
22
#不定期更新
「なぜお前みたいな浮ついた奴が
調査兵を志願した」
あまりに毎日のように
気持ちをぶつけてくる彼女に、
リヴァイは思わず尋ねた。
「それは…」
直後、彼女の顔が陰る。
いつも眩しいばかりの笑顔を向ける彼女の
そんな顔は初めてで、リヴァイは
じっと見つめる。
そして、過去を振り返るように
ポツリポツリと話し始めた。
ー私の父は、調査兵でした。
壁外調査の前日、
父は私にこう言いました。
「◯◯、大切な人には、伝えられる時に
気持ちを伝えるんだぞ。」
昔の私は、今のように
感情を表に出す子供ではなかったんです。
そんな私を心配してか、
父は口癖のようにそう言っていました。
「だからまぁ、お前もたまには
お父さん大好きー!って言ってくれても
いいんだぞ〜?」
冗談っぽくそう言って笑う父の顔を見て私も
(今は無理だけどそのうち言ってあげようかな)
ぐらいには思っていました。
その後、父が壁外調査から
帰ってくることはありませんでした。
「…後悔してるのか」
「…はい。とうとう私は、最愛の父に
愛を伝えることは一度もなかったのです。」
「それ以来、私は父の言葉を胸に、
父に恥じない生き方をしようって
そう思ったんです。」
「そうか。」
「…だからまぁ、私が調査兵を志願した理由は、兵長に気持ちを伝えに行くためです!」
いつの間にか普段の表情に戻る彼女に
リヴァイは続けた。
「…本気で言ってるのか」
「そんなことのために、心臓を捧げるのか。
お前は。」
「もちろん、それだけじゃないですよ?」
ふふ、と笑って彼女は続ける。
お父さんと同じ景色が見たかったんです。
そして、生前の父の夢だった、
巨人のいない世界。
そんな世界を作り上げて、
私が父に直接伝えたいんです。
お父さんの死には意味があったよって。
そのためなら私はどんなことでもします。
「随分と大それた夢だな。
だがまぁ、悪くない。」
ふっと視線を落とし、リヴァイは続ける。
「ただの浮ついた奴だと思っていたが、
違ったらしいな。
さっきの言葉は取り消す。」
あぁ、兵長なりに謝ってくれているのだと、
彼女はふふっ、と微笑む。
「いえ。兵長が私の雑談をこんな真剣に
聞いてくれるとは思わなかったです。
初めてですよね?
私に興味を持ってくれたのは」
ヘラヘラと嬉しそうに笑う彼女を見る
リヴァイの目は、心なしか
これまでのものと違って見えた。
コメント
1件
さくさん、第2話読ませていただきました。 「ただの浮ついた奴」だと思われていた主人公が、実はお父さんへの深い後悔と「伝えること」の大切さを胸に調査兵を志願したんだなって、胸がぎゅっとなりました。「お父さんと同じ景色を見たい」という言葉が、彼女の強さと優しさを表していて、とても素敵だったです。リヴァイ兵長の「さっきの言葉は取り消す」という謝り方も、彼らしくてほっこりしました。続きが楽しみです🌷