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焦がれた恋に希う

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焦がれた恋に希う

1 - 第1話 一方的な片思い

♥

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2023年04月08日

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さしすと2年ズが同級生のパロです。苦手な方はご自衛ください。1年ズはそのうち出てくると思います。

「はーぁ・・・面白くねー・・」

ため息をついた俺に、傑が苦笑している。真希、棘、憂太、パンダは自主練だそうだ。

「真希のこと?」

「そうだよ」

「一応聞いてあげるよ、今暇だし」

恩着せがましいな。

「パンダがさ、真希は棘か憂太に気があるって言ってきやがるんだ」

「まあ確かに悟のことなんて眼中にないも同然だったしね」

「ひっでえな」

「しょうがないだろ、事実なんだから」

たしかに思い当たる節はある・・・というか思い当たらない節がない。

真希はいつでも俺のことが嫌いだ嫌いだ、馬鹿だクズだと言ってくる。それでも惚れた女を手放すほどにはクズじゃない。

・・・と信じたい。

「ほら、あるだろ。好きな子だからいじめたくなる奴」

「小学生のやつだね、それ」

「ちっ」

「こら、舌打ちしない」


「真希」

「悟?なんだよ」

「風呂上がり?なんかあったかい」

「きっっも」

「なあ真希」

「だからなんだよ。用事があるなら手短にな」

よし!俺は覚悟を決めた!行け!俺!

「お前、好きな奴・・とか、いる?」

「はぁっ!?」

真希の顔が一気に赤く染まった。

なんだこの生き物。可愛いな。思わずその顔を見入っていると、

「見んな馬鹿」

と言われ、ちょっとだけ視線を外す。

そっぽを向いたまま真希はこう言った。

「す、好き・・・とか、そういうのは知らねえけど・・・気になるやつは、いる」

まじか・・・!?俺もう詰んだわ。

てか詰むの鬼速くね?やめてください。望みを捨てたくないです。

「じゃっ、じゃあな!」

真希は駆け足で走っていった。

「あ、ちょっと待てよ!」

俺の言葉がぎりぎり聞こえたのか、真希は止まってくれた。

「それって、憂太か棘?」

「絶対言わねえ!」


「へーぇ。見事に振られたもんだな、五条」

硝子が俺を見ていう。肝心の真希は傑と話している。

「うるせえよ」

「ま、明言はしてないんだからさ。希望くらいもってもいいんじゃない」

「・・・はぁ・・・」

ため息をついた俺に、硝子は意地悪く笑って真希の方へ歩いて行った。

あいつらほんと仲いいよな。俺も真希と話したいけど、確実に嫌われてるから無理。

昼寝でもしようかと机に突っ伏して数分経つと、何かが俺の頭をつついている感覚がした。

「悟も、こっち来ねえの?」

真希だった。

「行きます!!」

「なんで敬語?」

まあいいや、といって真希は俺の頭をわしゃわしゃかき混ぜてくる。

「やめろよー!仕返すぞ!」

「髪結んだばっかだっつーの!!」

軽口をたたきあいながら話す、今の何でもない関係でも心地よい。

傑と硝子があきらめたように、それでも笑ってくれるから俺もうれしくて、笑い返す。

まだ俺の、一方的な片思いの関係。

stay tuned.

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