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キーンコーンカーンコーン
5時限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。今日は月曜日であるため5時限で授業は終了し放課後を迎えた。
僕は帰りの支度をしている朝谷さんの元へ向かった。
「ねぇ、朝谷さん」
「なに?」
「なんで、僕の夢を発表した時」
「泣いてたの?」
「え!?私泣いてた!?」
「うん」
「なんでだろ…?秋野さんの勘違いじゃない?」
おかしい。僕の勘違いだったのか?いや、でも確かに……。
「ごめん、僕の勘違いだったらしい」
「うん、大丈夫。」
「それでさ、秋野くん」
「どうしたの?」
「なんで、本なんて書くの?」
「それゃ本が好きだから」
「本当に?」
「どういうこと?」
「本が好きなだけで、本を書きたいって発想になる?」
「それは……」
「他になにか理由があるんじゃない?」
「うるさいな。朝谷さんには関係ない事でしょ。放っておいてよ」
「……」
「ごめん」
しまった、ついムキになってしまった。でも分からなかった。なぜ、僕の夢にそこまで食いついてくるのか。なぜ、そこまで核心を着いてくるのか。
「ごめんね、佐野くん。私、もう行くね」
そう言うと、彼女は早足で教室を出た。
「今度、きちんとお詫びをしなきゃな」