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どうしてだろう。あの時、田中先輩を怒らせるようなことをどうしてしてしまったんだろう…。
「…、…田、岡田!」
「あ、すみません」
「何ぼーっとしてんだ。大問3の(2)を前に出て解きなさい」
「はい」
問題プリントの解答を書きに前に出ると担当教師の松村先生がボソッと話しかけてきた。
「彩歌、どうした?何かあった?」
「なんもない」
「そっか、でも何かあったらすぐ俺のところ来るんだよ。前みたいに溜め込まないようにな」
「わかってるって」
松村先生は今年先生になったばかりの新人教師だ。私の兄の同級生で小さい頃からお世話になっている。学校にいる間は塩対応で無愛想なため典型的な嫌われ系の先生だが、イケメンなのがプラスポイントになって「ドS先生」と生徒からは割と好かれている。でも、授業外…いや、学校の外だとまるで人が違うことを皆は知らない。
授業が終わり、帰路に着こうとすると、校内放送が流れた。
「1年C組の岡田、数学準備室に来なさい」
ついてない。今日コンビニで始まるロクーンズのコラボグッズを買いに行こうと思ってたのに。まあでも北斗くんだからいっか。
「失礼します」
「お、来た」
「ねえ、今日ロクーンズのコラボグッズ販売開始なんだけど」
「あ、そうなの?ごめんなー、呼び出して」
「で、なに?北斗くんが呼ぶからにはろくな事じゃないんだろうけど」
「その言い方やめろよ笑 つか、学校では松村先生、だろ?」
「えー、他に誰もいないしいいじゃん。」
「そういうことじゃないんだよ…」
「ねぇ、本題は?グッズ売り切れちゃう」
「ここ田舎だし田舎な割にコンビニいっぱいあるしそう簡単に売り切れないだろ笑 で、本題なんだけど。」
爽やかな笑顔だった表情から一変、神妙な面持ちになった北斗が口を開く。
「彩歌、やっぱり何かあったんだろ?」
「だから、なんもないよ?」
私は無理やり笑顔を作ってみせる。
「ほら、こんな元気」
「じゃあなんで授業中あんなにぼーっとしてたんだよ。彩歌らしくなかった」
「眠かっただけ。誰だってそんなことぐらいあるでしょ。北斗くんから見て私ってそんな完璧に見える?笑」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
「じゃー話は終わり。あ、そだ。北斗くんなんか奢ってよ」
「なんでだよ笑」
「えだって私の時間北斗くんの無駄話に付き合わされて無駄になったから」
「しょうがないな笑1000円以内な」
「1000円もいいの?」
「じゃあ100円にするか?」
「やだ。1000円がいい」
「全く素直じゃないよね貴女は。じゃあ支度するから荷物とってきな」
北斗くんと一緒に学校を出て、まずコラボグッズが売っているコンビニに向かった。コンビニにはグッズは沢山残っていたが、あいにく値段が1100円で、「1000円以内って言っただろ」と断られてしまった。
「約束は約束だから、なにか奢らないとな…あ、そうだ。俺おすすめのカフェがあるんだよ。そこに行こうか」
そして北斗くんおすすめのカフェに行くことになった。
「いらっしゃいませ」
「コーヒー2つと店長おすすめのパンケーキを1つ」
「かしこまりました。ご自由な席にお座りになって少々お待ちくださいませ」
注文を終えて席につき、注文が運ばれてくるのを待つ。
「お待たせ致しました。こちらコーヒーと、店長おすすめのパンケーキでございます」
「ありがとう」
そう言って北斗くんは、私の前にコーヒーとパンケーキを差し出した。
「えっ、これ北斗くんが食べるんじゃないの?」
「そんなわけないでしょ笑 ここのパンケーキ美味しいから彩歌に食べて欲しかったの。コーヒーに砂糖は入れる?」
「うん、ありがとう」
学校と普段の北斗くんの態度の違いを笑いながらのんびり食べていると、見知った人物がやってきた。
「あ、」