第6話(最終話)「好きのゴール」
放課後の校舎裏。
りんとほのかは、並んで立っていた。
りん「ほのかさん、勝負って言ってくれてありがとう」
ほのか「私のほうこそ。…逃げたくなくて」
そこに、みなとが歩いて来た。
みなと「二人とも、探したよ」
りんとほのかは同時に振り返る。
胸の鼓動が、3人の間に響く。
みなとは、真っ直ぐりんを見る。
みなと「天海さん」
りんの息が止まる。
みなと「…毎日全力で来てくれるの、すごいと思った。笑って、まっすぐで…すごく嬉しかった」
りん「…っ」
みなと「気づいたら、俺も…笑ってた」
りんの目が揺れる。
そして。
みなと「だから、俺も…好きです」
世界が止まった。
涙が勝手にあふれてくる。
りん「っ…!!ほんとに!?本当に!?」
みなと「うん」
りん「っ…やったーーーー!!!!!!!」
校舎裏で、鳥が驚いて飛んだ。
颯「結局全力だな…」
なお「最高の結末じゃん」
ほのかは笑って一歩下がる。
ほのか「…負けちゃいましたね」
りん「負けじゃないよ!ありがとう!」
ほのか「うん。ありがとう、りんちゃん」
ふたりはちゃんと、笑い合えた。
帰り道。
りんは横を歩くみなとに言った。
りん「ねぇ、これからも全力で行くからね!」
みなと「それは、わかってる」
ふたりの歩幅は、ぴったり揃っていた。
こうして――
全力で走った恋は、
確かにゴールへ届いたのだった。
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