テラーノベル
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「よし!」
スタッフルームから出てきた紫髪の女はエプロンを結びながら出てきた。
「遅刻した分、給料から引いとくからね。」
「ケチ〜!」
「4番テーブルにお水ね。」
「ケチケチケチケチ!」
そんなやり取りをした後。
「って早〜!?」
俺の早さにびっくりした。
ふふん、俺だって本気だせばこれくらい早く到着できんだぜ。
アレ、なんで俺コイツの為に本気出して、
「えぇ〜?私より早く来たでしょ!?」
「まぁ。そういえばそうかなァ。」
あ、そうか、俺はお礼を貰いに本気だしたんだ。
きっとそうだ。
「お礼貰いに来ただけだぜ。」
それ以外に理由はない筈。
「ふ〜ん?」
そう言ってニコッと笑ったあと。
俺の横に座ってきやがった。
やめろ…好きになっちまうかもしれねェから…
「一緒に飲みますか〜!」
言い方カワッ…いや、違ッ、カワイくねェカワイくねェ。
「へいへいマスター!私と彼にコーヒーを!」
「店員でしょアンタ」
「いいじゃないですか〜!モーニングにしか客なんて来ないんだし!」
「もぉ〜…」
マスターとそんなやり取りをして、紫髪の女はコーヒーを運んできた。
「お礼はコーヒーでした!コーヒー好き?」
「…飲む…」
うげ、マズッ!
うげェ、とベロを出してマズイ、と反応する。
「ぷっ!」
すると、ソイツはぷ、と吹き出した。
「なにその顔〜!絶対強がってる!」
「だぁってコーヒーってマズくねぇか!?」
「ドブ味だよドブ!」
「あはははは!子供だ子供!あははははは!」
やたら触ってくるし、俺に笑ってくれるし…
もしかしてこの娘、俺のコト好きなんじゃねぇ…?
「私の名前、レゼ!キミは?」
「…デンジ。」
「デンジ…デンジ君。」
ソイツは、上目遣いで、こう言った。
「デンジ君みたいな面白い人、はじめて!」
「ふ…う〜ん…」
死ぬほどカワイイ上目遣いに…
法に触れるくらい触れてくる身体…
確定で俺のコト好きじゃん…
どうしよう…
俺は俺のコトを好きな人が好きだ…
助けてくれビーム…俺こいつのコト好きになっちまう…!
―――――――――――
「…デンジ様、オンナといっぱい話してた、」
カフェを出たら、ビームは地面を歪まして、文句を言ってきた。
「悪かったって…」
「…」
謝ってみる。
謝ればいつも許してくれるのに、今日は不服そうだ。
「デンジ様の言うコト絶対、でも、デモ…」
「じゃあ、何したら許してくれんの?」
「…いっぱいキスしてください、」
「ッ…」
なんだそのカワイイの。
俺だけのものにしたい…
俺は他のやつを好きになりそうだってのになァ…
そんな事考えながらほっぺにキスしてやる。
「!」
ほっぺや、おでこみたいなとこへ。
それから、最後に口へ。
「ッ…コレでいいかよ?」
「ハイ…!デンジ様ダイスキです!!」
そう言って地面に戻って行った。
―だから、俺の顔が赤かったのはバレなかった。
コメント
15件
尊すぎるよぉおおおお😭
今日も推しが尊い
危ないあと一歩で死ぬところだった😸今回も神作でだいすきです🫶🫶🫶