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気が付くと、真っ白な天井が目に写った。
静かなこの部屋に、規則正しく機械の音がなる。
僕は、病院のベットの上にいて酸素ボンベを付けていた。
また、倒れたんだ…。
<カシャンッ
ふと、扉の方から音が聞こえた。
首だけ向けると、そこには、ころちゃんが居た_。
「るぅと、くん?」
ころちゃんが花瓶を落とした音だったらしい。あたりには、花瓶の破片が散らばっている。
「良かった、目が覚めてッポロポロ」
ころちゃんが言う話では、あの日、家で倒れてから一週間ずっと眠り続けていたらしい。
流石に隠しきれず、僕の病気のこともころちゃんは知ってしまったらしい。
「ずっと、黙っててごめん。」
僕は精一杯の謝罪をころちゃんにした。
「謝らないで。るぅとくんは悪くないよ。そんな状態なのに、僕の願いを聞いてくれてありがとう。」
その言葉を聞いた瞬間、僕の頬に一筋の涙が伝った。
ずっと騙し続けていた僕に対して、怒ることもなく、ただ、感謝だけを告げられた。
そんな状態というのは、僕の余命を知ったということ。
それでも、僕から離れないでくれたということ。
それが、すごく嬉しかった。
「ありがと、ころちゃん。」
僕の病気を知っても、変わらずに接してくれた。後から聞いた話では、毎日お見舞いに来てくれていたらしい。
「るぅとくんと話したいって子達がさっき居たよ。」
誰だろう?
「僕、今日は行くね。また明日来るから。」
ころちゃんが病室を出ていくと、入れ替わりで莉犬とジェルくんが来た。
「るぅちゃん、」
僕は、二人に合わせる顔がなくて、窓を見つめる。
病室には、機械音だけが流れる。
「るぅちゃん、俺達全部聞いたよ。」
莉犬が口を開く。
「心臓に腫瘍があるんやろ?」
ジェルくんまでも続ける。
改めて、事実を突きつけられて、胸が痛む。
「余命一年だって。」
「最近、様子がおかしかったんはそのせいなん?」
二人は、僕の様子がおかしかったことをずっと知っていた。
だからこそ_、余計に知られたくなかった。
僕には、友達と呼べる人が少なかったから。
「……。」
僕は返す言葉がなく、無言になる。
「また、来るから。」
「いっぱい、話そうな。」
二人が病室を出る。
一人になった、この広すぎる病室で、僕はいつの間にか声を上げて泣いていた。
こんなにも、優しい友達に恵まれていたのに、ずっと隠し続けていたこと。
無駄に、距離を取ろうとしたこと。
今更、後悔が積み上がってくる。
外は、今の僕の気持ちみたいに、雨が降り注いでいた。