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らん視点
体が勝手に動いた、なんて漫画の読みすぎだって笑われるだろう。
でも、ホントなんだ。ほんとに動いてしまったのだ。
あの時、何を思ったのか、守らないといけないってそればかりを考えていた。
父の拳を受けると、ああ、やっぱり庇ってよかったと素直に思った。
いるま「痛く、ない?」
本当に良かった。関わりたくないとは思っていたけど、この痛みを感じて欲しくなかったらしい。
俺はそのまま守るように抱き抱えた。嫌だろうけどその方が守りやすいと考えた。
らん「嫌だろうけど、我慢して、な?」
いるま「ん、、、、、」
父「なんだ。らん。なんの真似だ。」
父は冷たい声で言った。こういう時は謝った方が早い。というか、謝らないといつまでも殴られる。
らん「あんたの拳を仮にも弟になる奴にうけさせられるかよ」
え?今、俺なんて言った?そんなこと言ったら怒るに決まってる。
言い返したことなんか今まで無かったのに。
父「そうか。お前は反抗するんだな。だったら受け止めろよっ」
らん「ぐっっ」
いるま「も、もういいってば!お前の傷の方が酷いから!!」
らん「はは、案外優しんだな。でもな、少し黙ってな。ほら耳閉じといてやるよ」
いるま「なんで、なんで助けるんだよ」
そんなの俺が聞きたいよ。こんな会話をしている最中でも殴り続けている、父は本当に狂っていると感じる。
でも、良かった。俺に良心があって。だって、こんな親の元に生まれた俺はこんな風になる可能性があるって思ってたから。
父「ちっ。興ざめだ。拭いとけよ。あと、金貸せ。」
らん「カバンの中」
俺が言うと颯爽と行った。どうせパチンコだ。
まあ、いい。とりあえず、こいつをどうにかせねば。
らん「おい、怪我は?」
いるま「・・・ない。」
らん「そうか。なら弟のとこ行ってこい」
いるま「行かない。」
らん「ここにいたってなんも無い。」
いるま「あんたの治療してない。」
らん「俺はいい。どうせ今は立てない」
いるま「じゃあ、救急箱持ってくるから。」
らん「いや、だからいいって。自分でできるし、慣れてるし、そこまで痛くねーし」
いるま「うるせぇ。そこ動くなよ!」
そう言い放ち、2階にそそくさと行った。
意地でもやるんだな。いらないって言ってるのに。だから関わりは持つべきではないのだなと学んだ気がした。
なつ「・・・・・・」
ん?あれは、最初に睨んでたー名前なんだっけ。全員名前覚えてねぇんだよな。
というか何しに来た?そんな疑問を持っているといつも無言だった彼は口を開けた。
なつ「いるにぃを守ったのか?」
らん「俺はそのつもりはなかったけど、そうみたい。」
なつ「なんだよ、それ!同情なんかかけんなよ」
なんだその言い分。仮にも兄貴を助けたんだぞ。
らん「別に同情なんかしてない。そもそもお前らに情なんか湧いてねぇし。」
なつ「・・・・」
「お前なんか大嫌いだ。」
らん「別にいいよ。それで。」
そう。これでいいのだ。深く関わる必要はない。嫌いでいい。お互いのために。
らん「ま、でも辛くなったら俺が壁になってや る よ。それぐらいしか出来ないから。」
なつ「は、?なんだよそれ。」
らん「別にー」
からかうと耳を赤らめる彼に少し可愛いく感じたのは墓場までの秘密だな。
そうこうしている間に、紫髪が来た。ついでに他3人も着いてきていた。
いるま「なつ、?お前話してたのか?」
なつ「ま、うん」
なるほど、人見知りってわけだ。通りで警戒深いと思ったわ。
いるま「そっか。笑」
なつ「なんだよ。」
いるま「なんでもねぇよ。」
すち「本当にあなたが助けたんですか。」
らん「別に助けたつもりはないけどな。」
すち「ありがとうございます。でも、もう兄、僕ら兄弟に近づかないでください。」
らん「・・・・・」
すち「まだ、みんなにはいってないけど、僕には貯金が500万程あるんですよね。」
いるま「は、、?すち、お前何言って」
すち「兄さんは黙ってて。」
みこと「すちくん・・・・・」
すち「話が逸れましたね。何が言いたいかと言うと、もうこの家に用はないんですよね。」
らん「・・・」
すち「だから、もう近づかないでください。」
らん「それ、俺に言う必要あるか?」
すち「あなたは良心的なのは分かりました。ですが、情が出ては困ります。」
らん「俺は最初から関わる気なんざねぇ。」
すち「それならそのままでいてください。」
そう吐き捨てた、緑頭は冷たく見下したような目で俺を見つめた。
誰も理解できていない状況で唯一できたことは、俺は超絶嫌われていること。
そして、彼の家族への愛は狂気だということ。
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