com.が有利な戦況の中ある事件が起こる。
バン ッ !
💚「——ッ!」
鋭い痛みが肩を襲った。
💜「ゆうた!」
ひゅうがが叫ぶ。
ゆうたの左肩に血が滲んでいた。
💚「……クソ、もらっちまった」
ゆうたは歯を食いしばりながら、銃を持つ手を震えさせる。
💜「くっそ、どこから撃ってきやがった!?」
ひゅうがが怒りを露わにしながら、ゆうたの肩を押さえる。
💜「俺がやる、下がれ!」
💚「……ふざけんな、撃てる」
ゆうたはそう言いながら、スコープを覗く。
💙「撃たせないよ?」
突然、ゆうたの背後から腕が伸び、銃を取り上げられる。
💚「ゆうま……」
💙「ダメダメ。傷負ったまま撃とうとするなんて、お姫様らしくないよ?」
ゆうまは軽く笑いながら、ゆうたを抱え込むようにして後退した。
💚「お前、何——」
💙「やまとに怒られたいの?」
その言葉に、ゆうたは僅かに動きを止めた。
💚「……チッ」
💙「大人しくしてて。俺が殺してあげるからさ」
ゆうまは、ふっと薄暗い戦場の中に消えていく。
💜「ゆうた、応急処置するから大人しくしろ!」
ひゅうがが焦った様子で止血を始めた。
💚「クソッ……油断した」
❤️「お前がそんなミスするなんてな」
無線の向こうで、やまとが低く呟く。
❤️「……“あいつ”に狙われてるの、わかってただろ?」
ゆうたは僅かに息を乱しながら、肩の痛みを押し殺す。
💚「わかってた……けど」
❤️「“俺のもの”が、他の奴に傷つけられるのが気に入らねぇ」
やまとの声は静かだったが、その奥には明確な怒りが滲んでいた。
💚「やまと……?」
❤️「潰すぞ」
その言葉と同時に、“com.”が総攻撃を開始した——。
しかしヴァルデの増援は止まらず次々とひゅうが、ゆうたのところまで来ていた。
💜「応急処置はできた、ゆうた下がれ!」
💚「悪ぃ…」
ゆうたはすぐ倉庫の裏へと急ぐ。
ひゅうがは大人数を相手に1人で飛び込んで行く。
ゆうたが浅い息をしながら向かった先___
そこに居たのはヴァルデのボスだった。
👑「また会えたね?”姫”」
ゆうたはすぐ銃を構える。
打とうとしたその瞬間
ドクンッ……
ゆうたの肩に走る痛みが、トリガーを引く手を一瞬止める。そして膝から崩れ落ちる。
ゆうたがふと顔を上げるといつの間にか目の前にヴァルデのボスが目の前まで来ていた。
肩から流れる血が、ゆうたの服を赤く染めていく。
💚「……くそっ」
狙撃用のライフルを構えようとするが、傷のせいでうまく力が入らない。
💚「っ……!」
👑「……ほう?」
ヴェルデのボスが、ゆうたを見つめて微笑んだ。
👑「痛むだろう? その肩じゃ俺を仕留めるのは無理だ」
💚「……」
👑「降伏しろ、ゆうた。“com.”なんかにいるより、俺のものになったほうがいい」
その言葉に、ゆうたの奥歯がギリッと鳴る。
💚「ふざけ、んなッ…」
👑「お前は惜しい。やまとみたいな冷酷な奴のものになっても、捨てられるだけだ」
💚「……やまとが俺を捨てるわけねぇだろ」
💚「お前に……“俺らの関係”が理解できるわけねぇよ」
ゆうたは奥歯を噛みしめながら、目の前の男を睨んだ。
ヴェルデのボスが、満足そうに笑っている。
👑「やっと捕まえたぞ、“com.の姫”」
💚「……ふざけんな、誰が姫だ」
👑「違うか? 俺から見れば、お前はやまとの”お気に入り”……いや、“所有物”だ」
ヴェルデのボスがゆうたの顔を掴む。
👑「本当なら、もっと優しく扱いたいところだが……どうせお前は”com.”の誇りとやらで頑ななんだろう?」
💚「……」
👑「なら、選ばせてやるよ」
ヴェルデのボスはゆうたの肩の傷口をグリッと指で押した。
💚「っ…ぅ”_ぁ…!!」
鋭い痛みが走り、ゆうたの体がビクッと跳ねる。
👑「俺のものになるか……それとも、やまとが助けに来る前に”壊れる”か」
💚「……ふざけんな…っ」
ゆうたは震える唇を噛み締めた。
💚「やまとが……お前なんかに”俺を奪わせる”わけねぇだろ」
ヴェルデのボスが目を細める。
👑「強がりはどこまで通じるかな?」
男の手がゆうたの顎を乱暴に持ち上げた——その瞬間。
——バンッ!!
扉が破壊され、銃声が響く。
そして——
❤️「おい」
低く、冷たい声が戦場に響く。
やまとが、ゆうたの隣に立っていた。
❤️「……あとは俺が仕留める」
やまとの銃口が、ヴェルデのボスの額に向けられる。
❤️「お前みたいな”欲しがるだけのカス”に、ゆうたを触れさせるつもりはない」
そして——
❤️「死ね」
バンッ!!
ヴェルデのボスの体が、崩れ落ちた。
戦闘が終わった後——
💚「……痛ぇ」
ゆうたは肩を押さえながら、やまとの方を見上げる。
❤️「……撃たれたくせに無茶しやがって」
やまとが、ゆうたの手首を掴んだ。
💚「……ごめん」
珍しく、ゆうたが素直に謝る。
やまとの眉がピクリと動いた。
❤️「……まぁ、いい。よくやったな」
やまとはそう言いながら、ゆうたの髪をくしゃっと撫でた。
💚「やまと……?」
❤️「……もう二度と、俺の前で”奪われる”なんて言葉、口にするなよ」
やまとの指が、ゆうたの顎を掴んだ。
❤️「お前は俺のものだって、わからせてやる」
次の瞬間——
深く、強引なキスが落とされた。
💚「ん……っ!」
血の匂いが混じったそのキスは、痛みよりも熱を感じさせた。
やまとが唇を離し、ゆうたをじっと見つめる。
❤️「……これで、理解したか?」
ゆうたは息を整えながら、やまとを睨む。
💚「……やまとってさ、ほんとタイミングおかしいよね」
❤️「今さらだろ?」
やまとはふっと笑い、ゆうたの腰を強く引き寄せた。
❤️「俺のものに手を出したらどうなるか、全員に見せつけたかっただけだ」
ゆうたは軽く微笑んでから
💚「ありがとう、やまと」
と呟いた。
🧡「ボス、ゆうた。こっちは終わったよ。もう出れる。」
💜「俺とゆうまも片付いたわ」
無線で速やかに連絡を取る。
❤️「了解。今すぐぼんに車だしてもらう。ゆうた行くぞ」
やまとはゆうたを背負いみんなと合流するため歩き出した。
続く 〉〉〉
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