明日、特攻隊員出発式だ。
昨日の1件で、おらふくんは清々としているようだった。
「悲しいなぁ……。」
僕は、ぼんさんとおらふくんがいなくなってしまうのが少し辛くて悲しい。
その想いが漏れていたことは、自分でも気づいていなかった。
「じゃあ、今日思い出つくりに行きませんか?」
僕の言葉を聞いて、おんりーが首を傾げながら言った。
その言葉に、誰も反応しないまま、おんりーはその場に立った。
「ついてきて。」
出口の前で手招きされて、僕達4人はおんりーについていった。
「ここ。」
おんりーが連れて来てくれた場所は、地下の狭い空間より小さな花畑だった。
「わぁあ‼綺麗……‼」
おらふくんは、初めて見た花畑に大はしゃぎしていた。
「すっげぇ、めっちゃ綺麗じゃん‼」
ぼんさんも、キラキラと目を輝かせて、おらふくんと走り回っている。
「どこでここ知ったんだよ?」
MENは、目を輝かせながらおんりーに問う。
「じいちゃんとの、思い出の場所なんだ。」
おんりーは、空を見上げてポツリと呟いた。
おんりーの態度からして、おんりーのおじいさんは亡くなっているんだろう。
「俺が小さい時、じいちゃんが連れて来てくれたんだ。そこで、こんな話を聞いた。」
おんりーは、ストンと座り込んで仰向けになって寝っ転がった。
そして、プチッと花をちぎってその花を見つめた。
「この花は、願いが叶う花。この花に願いを込めて、叶ってほしい相手に渡す。そうすると、願った想いが叶う。」
懐かしさを噛み締めながら、言葉を並べる。
「それ、本当なの?」
僕は無神経かなと思ったけど、おんりーは何も気にしず答えてくれた。
「知らない。あくまでも聞いただけ。でも、じいちゃんは俺にこの花をくれた。叶ったかは知らないけ……どっ!」
勢いよく起き上がったおんりーの手には、気付いたら花を4つ持っていた。
それを額に当てて、目を瞑ったおんりーは、こんなことを呟いた。
「”5人”で生きて帰れますように。」
僕らに聞こえるくらいの声だった。
その花を1つづつ僕達に手渡した。
「うぅ……おんりぃいー‼‼」
「大好きだぜ!おんりー!」
「おんりー、ありがとな!」
「あはは、ありがと。おんりー。」
おんりーのお陰で、僕らの顔は満面の笑みでいっぱいになった。
「いい思い出になったね。」
僕は笑顔で4人に微笑みかけた。
「それなら良かった。」
おんりーは、顔をスッと隠した。でも、おんりーの口元は笑っていた。
「おんりーは素直じゃないなぁ〜!」
ぼんさんは、おんりーの頭をガシガシと搔き回した。
「はっはっは!」
MENが豪快に笑って、それに釣られて僕も笑ってしまう。
こんない幸せなことはないと思う。
コメント
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愛を込めて花束を聴きながら見てたんですけど、泣きましたね☆
占いを信じないおんりーの願い...叶うといいですね...!