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#シリアス
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「先生に、プリント頼まれて…あと、その……」
僕は持ってきた袋を、おずおずと持ち上げた。
「プリンとか、スポドリ……少し、買ってきたから」
天馬くんは少しだけ意外そうに目を丸くした。
「……わざわざ?」
「し、心配だったから……」
正直な気持ちが口をついて出る。
すると、天馬くんは少し困ったように眉を下げ、熱のせいで熱くなった手を頭にやった。
「……ありがとな。でも、風邪移るかもだし。プリント受け取ったら、もう帰っていいよ」
その言い方は、拒絶というよりは気遣いだったのかもしれない。
けれど、弱っているせいか、いつもより少しだけ低く、鋭く僕の耳に届いた。
「……えっと」
びく、と肩が揺れる。
反射的に謝罪の言葉が口から漏れていた。
「ご、ごめん……」
一瞬で空気が冷えた気がした。
しまった。
やっぱり迷惑だったんだ。
弱っている時に、僕みたいなのがウロウロしていたらイライラするに決まっている。
早く帰らなきゃ。
そう思ったのに。
胸の奥がぎゅっと苦しくなって、アスファルトに根が生えたように足が動かなかった。
「……っ、で、でも」
天馬くんが、意外なものを見るような顔で僕を見る。
僕は喉の奥まで上がってきた熱い塊を飲み込みながら、勇気を振り絞って続けた。
「…っ、邪魔は、しないと思うから……」
声が震える。
情けないくらい必死で、自分でも驚くほど執着していた。
「天馬くんが心配なんだ。だから…なにか、させてほしい……」
「め、迷惑だったら……すぐ帰るから……っ」
気づけば視界が少し潤んでいた。
自分の我儘なのは分かっている。
でも、放っておけなかった。
「あー……」
天馬くんが大きく息を吐き、困ったように眉を下げる。
「ごめん、今の。……言い方、キツかった?」
「……っ、ぜ、全然!ただ、天馬くん、いつもより声が低い感じがしたから、びっくりして……」
「ちょっと風邪でイライラしてて。……水瀬に怒ってるわけじゃないよ」
彼は申し訳なさそうに視線を逸らし、何かを迷うようにしばらく沈黙した。
そして、小さく溜息をついてから僕を真っ直ぐに見る。
「……じゃあ」
「?」
「プリン、食べさせてもらってもいい?」
「……え」
「あと、スポドリも…」
その言葉を聞いた瞬間、僕の世界にパッと光が差し込んだ。
「……っ、うん!わかった、任せて……!」
自然と顔が綻ぶ。
すると天馬くんは、熱のせいか、少しだけ目を細めて僕を見つめた。
その眼差しが、どこか熱を帯びて甘く感じられて、僕は不意に心臓が大きく跳ねるのを感じた。