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ゆゆゆゆ
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ゆゆゆゆ
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前線基地デルタは燃えていた。
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正確には。
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まだ陥落していない。
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だが時間の問題だった。
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防壁は崩れ。
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銃声は止まず。
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空には黒煙が上がっている。
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まるで世界の終わりの中心だった。
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「いた!」
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エリオットが叫ぶ。
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防壁の上。
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一人の男がいた。
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青い髪。
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傷だらけの軍服。
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ライフルを構えながら指示を飛ばしている。
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「三番砲台を下げろ!」
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「負傷者を後方へ!」
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「弾薬を無駄にするな!」
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疲弊している。
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それでも立っている。
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何年も。
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何年も戦い続けた男だった。
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Guest1337。
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シャーロットの父親。
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「Guest!」
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ピザガイが叫ぶ。
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男が振り向く。
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一瞬。
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驚いた顔をした。
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「……お前」
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そして。
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その視線が移動する。
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エリオット。
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そして。
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その後ろ。
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シャーロットへ。
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時間が止まった。
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本当に。
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止まったように見えた。
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Guestの手からライフルが落ちる。
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金属音。
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だが誰も気にしない。
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男はただ。
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娘を見ていた。
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「……シャーロット」
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かすれた声だった。
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娘の名前を呼ぶのは。
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何年ぶりだっただろう。
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「大きくなったな」
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ようやく出た言葉がそれだった。
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シャーロットは答えない。
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動かない。
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笑わない。
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泣かない。
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ただ。
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見ている。
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そして。
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「へぇ」
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ぽつりと呟いた。
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「生きてたんだ」
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Guestの表情が少し揺れる。
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「……ああ」
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「ふーん」
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それだけ。
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それだけだった。
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Guestは困ったように笑う。
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「会いたかった」
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その瞬間。
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シャーロットの目が冷たくなった。
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「今さら何?」
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静かな声だった。
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怒鳴っているわけではない。
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だが。
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その方が痛かった。
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Guestは何も言えない。
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「今さら何なの?」
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少女は続ける。
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「どこにいたの?」
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「……」
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「何年?」
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「……」
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「私が何歳の時にいなくなったか覚えてる?」
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Guestが目を伏せる。
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答えられない。
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答えられるわけがない。
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「ママが泣いてたの知ってる?」
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静かな声。
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静かすぎる声。
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「パパは帰ってくるって」
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「……」
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「ずっと言ってた」
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Guestの拳が震えていた。
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「でも帰ってこなかった」
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「シャーロット」
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「ママもいなくなった」
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その言葉で。
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空気が凍った。
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エリオットも。
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ピザガイも。
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何も言えない。
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「私だけになった」
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少女の目には涙があった。
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だが。
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泣いていなかった。
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もう泣き終わっていたから。
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何年も前に。
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「だから」
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シャーロットは言う。
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「今さらパパ面しないで」
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そして背を向けた。
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Guestは追いかけない。
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追いかけられなかった。
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その背中を見送るしかできなかった。
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夜。
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基地の片隅。
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シャーロットはコンテナの上に座っていた。
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膝を抱えて。
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一人で。
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「隣いい?」
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エリオットだった。
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「好きにすれば」
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相変わらず素っ気ない。
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エリオットは隣へ座る。
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しばらく何も言わない。
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風の音だけが聞こえる。
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やがて。
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シャーロットが呟く。
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「最低だよね」
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「誰が?」
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「私」
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エリオットは首を傾げる。
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「なんで?」
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「だって」
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シャーロットは唇を噛む。
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「本当は会いたかったもん」
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その一言で全て分かった。
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怒っている。
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恨んでいる。
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許せない。
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でも。
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会いたかった。
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ずっと。
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ずっと。
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「会えたら抱きつくと思ってた」
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小さな声。
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「馬鹿みたいに泣くと思ってた」
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「うん」
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「でも顔見たら」
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シャーロットは俯く。
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「腹立っちゃった」
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エリオットは少し笑った。
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「それも普通だよ」
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「普通?」
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「うん」
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終末世界じゃなかったら。
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もっと早く会えたかもしれない。
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もっと怒れたかもしれない。
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もっと泣けたかもしれない。
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全部ぐちゃぐちゃになってしまっただけだ。
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「Guestもさ」
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エリオットが言う。
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「めちゃくちゃ怖がってるよ」
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「パパが?」
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「うん」
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シャーロットが鼻で笑う。
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「嘘」
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「本当」
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エリオットは基地の反対側を見る。
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暗闇の中。
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一人の男が立っていた。
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青い髪の軍人。
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遠くから。
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娘のいる方向を見ている。
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近付けないまま。
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ただ見ている。
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シャーロットもそれに気付く。
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そして。
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ほんの少しだけ。
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目を伏せた。
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怒りは消えない。
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許せるわけでもない。
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だが。
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再会は終わりではない。
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ここから始まるのだ。
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父と娘が。
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もう一度家族になれるのか。
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それともなれないのか。
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その答えを探す時間が。