時刻は午後11時、お店の前に着くと
翔太 ねぇ泊まったらダメ?
なんて、可愛い事言ってきた。私もまだ離れ難かったものの、2度の寝坊も踏まえこの男を軽々しく泊めるわけにはいかない。
鈴花 ダメよ明日も朝早いから
翔太 ちゃんと起こしてあげるよ?て言うか鈴ちゃんまだヤルつもりなの?エッチだね!僕はただ泊まりたいって言っただけなのに^ ^
鈴花 ////ッとにかく、ダメなものは駄目!
翔太 じゃぁ明日泊まりに来ても良い?明後日お店休みでしょう?
何処までも粘りそうな勢いだったので仕方なく明日泊める事にした。
嬉しそうにブンブン尻尾を振っている子犬のような彼があまりにも可愛いくって、車を降りる寸前で彼の頰に触れ口づけをした。
今度は顔を赤らめてモジモジしている。
翔太 やっぱり泊まりたい♡
鈴花 明日ね♡あっこれ鍵渡しておく。10時迄には帰るから家で待ってて。
突然のプレゼントに満足したのか、月明かりに合鍵をかざしてニヤニヤしている・・・
なんて可愛い生き物なんだ。〝じゃぁおやすみ〟と言うと今度は彼からキスをした。小鳥みたいな可愛い口づけに自然と笑みが溢れた。
次の日、健ちゃんとの約束の時間だが閉店間際にお客さんが雪崩れ込んできて、慌てて準備をして出かけた。鏡を見る間も無く出てしまった事を後々後悔する。
鈴花 ごめんごめん、ちょっと遅れちゃったね
先にお店で一杯飲んでいた健ちゃんが私を見るなり少し目を伏せた気がした‥
健ちゃんは酒屋の息子らしく、お酒が強い。ついつい私も同じペースで飲んでしまっていた。
健太 それにしても2人で飲むの久しぶりだよな!鈴、お酒前より強くなったね
鈴花 んっでも、もうお腹いっぱい。美味しかった
健太 美味しいワイン手に入ったんだよね!俺の家で飲み直さない?
時刻は午後9時。彼との約束までまだ少し時間はある。
鈴花 1時間だけならいいよ
健ちゃんの家に入るのは大学生の時以来かも。もう何年も部屋には入ってない。あまり昔と変わってないなぁと部屋を見回していると、ワインとチーズを持った健ちゃんが部屋に入ってきた。
鈴花 んっ美味しい♡このワイン最高
*健太 良い飲みっぷりあまり飲みすぎないようにな!ところでさ*‥
いつも何でもズバズバと話す健ちゃんにしては歯切れの悪い感じで何やら言いづらそう?
鈴花 なぁに?どうしたの健ちゃん?
健太 あっ〜お前彼氏できた?
健ちゃんとは幼馴染で、お兄ちゃんのような存在だ。恋愛話など今までした事もないからか、急に恥ずかしくなって、顔が熱くなる。
鈴花 まぁ‥////
健太 お前さっ、あんま店の前で‥何だ気をつけろよ!誰に見られてるか分かんないんだからさっ
何の事を言っているのかさっぱりわからず小首を傾げていると
健太 昨夜キスしてたろ!車の中で
お酒のせいか、恥ずかしさのせいか、顔から火が出そうなくらいに熱い。下を俯き〝ごめんなさい〟と謝ると大きな健ちゃんの手で頭を撫でられた。
健太 気をつけな!あとその胸元も!
益々何を言っているのか分からない。自分の胸元を見ても何の変化もないのだが‥そう言えば昨夜彼がキスマークを‥もう顔を覆うしかなかった。
健太 あぁ最悪‥ごめんちょっと無理だわ
いきなり視界がぐらつき気づいたら仰向けに倒れていて健ちゃんに押し倒されたのだと分かった。
鈴花 えっ?ちょっと健ちゃん‥冗談やめて
怖いくらいに雄の顔で私を見下ろし両手を床に縫い付けた。冗談ではない事がその表情から読み取れる。無言で健ちゃんが首筋に顔を埋めてキスをする。
〝怖い〟こんなの健ちゃんじゃない。突然の事で恐怖から体が震えて抵抗できず声が出ない。それを同意と取ったのか健ちゃんがシャツを捲って首を甘噛みしてきた。既に彼の指が先端に達している。
健太 ずっと好きだった。ずっとずっと鈴の事‥他の誰にも渡したくない
鈴花 やだやめて健ちゃん
消えいるような弱々しい抵抗は最も簡単に掻き消される。唇を奪われて彼の舌が口内を侵した。涙がとめどなく溢れた。渾身の力で彼を押すと一瞬の間が出来たので慌てて部屋を飛び出した。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!