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(💖視点)
セイちゃんに、全部を知られそうになって、思わず動揺して店を出てきてしまった。
セイちゃんはきっと、本気でナオを心配してくれてた。
……なのに、何にも言えなかったのが、情けなくて、恥ずかしくて。
ほんまに、ナオなんかが、セイちゃんを好きでもええんかなって、泣きそうになった。
……あと、もう少しなのに。
もう少しで、ちゃんと、セイちゃんと向き合えるのに。
まさか、よりによって、セイちゃんにあんな手紙を渡すなんて。
さすがに予想外で、頭が真っ白になった。
【俺はまだナオヤくんの事が好き。諦められない。】
さっきの手紙の内容を思い出す。
……あいつは、一番ナオに執着してる男。
他の男は遊び人特有で、最初は執着していたものの、すぐに他の遊び相手を見つけている様子だった。
でもあいつだけは、ほんまにしつこくて。
純愛を気取るくせに、何度も電話をかけてきたり、腕を引っ張ってきたり。
まぁいつか飽きるやろ、なんて思っていたのに。
……多分、ここまま放置したら、あいつは逆上する。
そうなる前に、手をうたないと。
【連絡待ってる】
……連絡、…しないと、次は何をしてくるか分からない。
意を決して、電話をかけた。
「……もしもし、…うん、そう。ナオ。……これで、ほんまに最後やから。もう会わへん。約束ね。」
仕方なく最後に一度だけ会う約束をし、電話を切った。
***
(🐰視点)
結局昨日はナオと会うことのないまま会社に戻って、今もまだモヤモヤとあの男の事を考えている。
ランが見た、腕を掴んだ男。
ナオに、しつこく電話をしてきていた男。
昨日の、手紙を渡してきた男。
……あの日海で見た、ナオとキスをしていた男。
ナオの周りにいる男の存在が、俺の心を酷く掻き乱していた。
“ナオヤのこと、ちゃんと見たってや。……あいつ、お前に本気やと思うから”
カイリュウはそう言うてくれたけど、ナオはほんまにそうなんか、…それは、本人にしか分からへん。
……ナオ。
なぁ、今、
何を考えて、誰を想っとるねん。
車で海沿いを走りながら、モヤモヤが止まらないまま配達回りへと向かう。
「はぁ……、ええ天気やな、今日も…」
信号に引っかかり、ぼんやりと外を眺めながら、独り言を呟いた。
俺の心も晴れたらええのに、なんてよく分からないことを考えながら、頭の中にはやっぱりナオの顔が浮かんでくる。
……昨日、あんな泣かせるような事をして、どんな顔でナオに会うたらええねん。
…ナオ、今、どんな顔してんねやろ…
あかん……ナオの事を考えすぎて、海沿いを歩く人がナオに見えてきてもうた、、
「……ん、?…えっ、?ナオ…?」
目を凝らしてよく見ると、時々スマホを眺めながら海沿いを歩いているその人は、俺の妄想ではなく、正真正銘、本物のナオだった。
「……っナ、、」
車内から呼びかけても無駄なのに、思わず声が出てしまう。
歩いているナオの姿を目で追っていると、ふいに手を上げ、誰かにその手を振っているようだった。
ナオの視線の先に目をやると、同じく手を振っている男。
「っ、は……?あいつって…、」
間違いない。
俺に、手紙を渡してきたあの男や。
は?え、なんで。
なんで、ナオがあいつに手振っとんねん。
【連絡待ってる】
手紙に書かれていた文章を思い出す。
……連絡、したんか、あいつに。
“お願い…っ、なんも聞かんといて…っ、”
あの時、ナオはやけに必死だった。
……やっぱり、あいつとなんかあるん?
心臓がバクバクと嫌な風に鳴り始め、ぐだぐだと考えている間にも、2人の距離はどんどん近づいていく。
「……っ、ナオ、、っ、」
……いつも、俺が店に来ると、ナオは嬉しそうに甘えてきた。
セイちゃんセイちゃんって、ニコニコと楽しそうに、俺の名前を呼んで。
ずっと、俺の知らないところで、俺の事を想ってくれていて。
苦しかったはずなのに、俺にはずっと笑顔を向けてくれていた。
アホな俺は、そんな事全く気付かずに、カイリュウの事が好きやなんて、相談まで持ちかけて。
そのくせ、ナオの言葉に、キスに、動揺して、冷たくされたらナオの気持ちが知りたくなって、……どんどん心が、ナオに揺れて。
ほんまに、自分勝手で、嫉妬深くて、強引で。
分かっていても、もう気持ちが止められへん。
嫌や。
ナオ、行くなや、
そんな奴、どうでもええやろ。
俺しか見てへんって、言うたやんか。
……俺だけ。
俺だけ見てや、ナオ。
信号が青に変わった瞬間、急いで車を路肩に停めた。
***
(💖視点)
最後に会うとあいつと約束して、出勤する前に待ち合わせをした。
“どこ?”、 “本当に来てくれる?”と何度も連絡してくる事に嫌気が差しつつも、海沿いを歩きながら返信していると、前からやってくる姿を発見した。
……上手く、やらないと。
こいつは、綺麗に断ち切らないと、多分ずっと付き纏う。
そう頭の中で考えながら、口では小さく溜息をつきつつ、軽く手を振ってみせた。
これで、ほんまに最後。
……これが終わったら、ちゃんと、セイちゃんに、
「っ、……ナオ、!!」
「……っ、え、、?!」
セイちゃんの事を考えていたら、ほんまにセイちゃんの声が聞こえて、混乱しながら振り向くと、振り向いたのと同時にそこにセイちゃんがいて、腕を掴まれた。
「えっ?!せ、せいちゃん!?なんで…っ、」
走ってきたのか、息を荒くさせているセイちゃん。
何が起こっているのかわからないまま、動揺して前を見ると、怪訝な顔をして近付いてくるあいつがいた。
……やばい、どうしよう、、っ、
「っ、せいちゃん、ごめん、」
「行くなや」
「……っ、え、?」
低い声でそう言って、ナオの腕を引っ張りながら、近付いてくるそいつの方に歩いていく。
「セイちゃ…っ、」
「……すんません。もうナオに近づかんでもらっていっすか。…こういう事なんで。」
ナオの腕を掴んでいた手を離すと、いきなりナオの手を握って、そいつに見せるセイちゃん。
「は…っ、?…ナオヤくん、嘘でしょ、」
「そういう事なんで。じゃ。」
「っ、え、セイちゃん、ちょ、まって…っ、!」
呆然とするそいつに背を向けると、すごい力でナオを引っ張って、どんどん遠くへ歩いていく。
後ろを振り返るとあいつはもういなくて、ホッとしながらも、さっきのセイちゃんの言動がまだ頭の中でごちゃごちゃしていて、訳も分からず混乱していた。
……ナオを、助けようとしてくれた、?
それだけ、やんな、?
「っ、…ねぇ、せぇちゃん、、っ、」
海辺に続く階段を降りたところで小さく声を掛けると、振り向いたセイちゃんは怒った顔をしていた。
「…なぁ、あいつ誰。お前のなんやねん。」
「っ、……」
言えるわけない、セイちゃんに。
ナオが今まで、誘惑してきた結果だなんて。
「…っ、せいちゃんに、関係あらへんやん…っ、」
「あるやろ。」
「え…っ、?」
ナオの手を握ったままのセイちゃんの手に、グッと力が入った気がした。
「っ、俺に、…俺しか、見てへんとか言っといて。…俺に、キスしといてっ、?何が関係あらへんねん…っ、!関係あるやろ、!なんでそんな事言うねん…っ、」
「っ……せいちゃん…、、?」
「……もう、嫌や。どこにも、いかんといてや、ナオ…っ、」
「…え、…せいちゃ、っ…、!
弱々しい声が聞こえた瞬間、手を引っ張られてセイちゃんの胸に引き寄せられると、そのままギュッと抱き締められた。
あったかくて、…少しだけ苦しくて、胸がきゅっと締めつけられる。
抱き締められていると、ほんまはあいつに会うのが怖かった気持ちがふいに溢れ出てきて、セイちゃんの匂いがして、心がじわりと落ち着いていく。
あぁ、…やっぱりナオは、
ナオは、……セイちゃんの事が、
「好きや。……俺、ナオの事が好き。」
「……っ、……え……、?」
セイちゃんの胸が震えて、聞こえてきたその言葉に、思わず顔を見ると、切実な表情で、まっすぐに目を見つめられる。
「…ナオが、俺に冷たかったら悲しいし、…っ、ナオが、笑っとったら嬉しい。…俺が知らんナオを知っとるんやって、エイキにも嫉妬した。……気付いたら、もう、俺、ナオしか見てへんくて…っ、」
「っ、…、ほんま、っ、?…っ、ほんまに…っ、?せいちゃ…っ、」
「ほんまに…っ、ほんまやから、もう、どこにもいくなや…っ、今日から、俺だけにして。俺だけ見てや…っ、」
ぎゅっ、とまた抱きしめられて、セイちゃんの言葉に身体が震えて、それを包み込んでくれるみたいに、セイちゃんの腕に力がこめられて。
その力強さで、ナオに、セイちゃんの気持ちが向いてるんやって、実感して。
ぶわぁって、胸の中が熱くなって、嬉しくて、セイちゃんに、気持ちをぶつけたくなった。
「っ、ねぇ、ナオ、言うたやん……っ、ナオはっ、…なおはっ、ずっと、セイちゃんしか見てへんよ…っ、?」
「っ、じゃあ、あいつはなんやねん…」
……ちゃんと、言わなくちゃ。
セイちゃんに、全部、知ってほしい。
ぜんぶぜんぶ、セイちゃんにぶつけたい。
ちゃんと、ナオを、好きになってほしいから。
もう逃げへん。
「……ごめんね、セイちゃん。…ナオね、…ナオ、……正直に言うな?…ずっと、色んな人と遊んだりしててん。さっきの奴も、ナオが誘惑した。ナオのせいやねん。…でも、もう、そういうのやめたくて。……エイキが背中、押してくれてん…。ナオ、セイちゃんの事が好きやから、ちゃんと、向き合いたくて…今まで会ってた奴とか全部、関係切ろうとしててん…、さっきの奴もそう。あいつで最後やってん、せやから…っ、ナオ、…セイちゃんと、っ、ちゃんと…っ、」
「付き合って。」
「えっ、、?」
「俺と付き合って、ナオ。」
「……っ、せいちゃ…っ、」
両手をぎゅっと握られて、ナオの話を聞いても、迷いもせずにそう言ってくれたセイちゃんに、感情が揺れて、涙がぽろ、と零れだす。
「ナオが遊んでたとか、どうでもええねん。そんなん、俺がこれからナオの事見とったらええねんから。…ナオが、不安にならへんように、寂しくならんように、俺がちゃんと、ナオの事見たるから。」
「っ、…せいちゃん……っ、ええの、?…っ、ほんまにっ、ナオなんかで、ええん…っ、?」
「なんかやあらへん、ナオがええねん。」
「…っ、ん、…ぅん……っ、せぇちゃ、…っ、ナオ、…っ、せぇちゃんが好き…っ、」
「俺も好き。…ナオが好きやで。」
「っ、ひ、ぅ、うう…っ、せぇちゃん……っ、」
「ナオ…っ、泣かんといてや、、ありがとうな、ずっと俺の事、見てくれて…、」
頬を伝う涙を、セイちゃんの指が優しく拭って、大きくてあったかい手が、ナオの頭を撫でてくれる。
あぁ、ナオ、ほんまに、セイちゃんが好き。
他の、誰よりも。
ナオが、いちばんって、伝えたい。
「せいちゃん…っ、」
「ん、?」
「なお…っ、なおが、いちばん、せいちゃんのこと、好きやからね…っ、?」
「っ、…ふふ。うん。俺もやで、?」
「……っ、かいりゅうは、もう、ええの……、?」
「……もう、俺は、ナオしか見てへんよ。」
「っ、…せぇちゃん、、っ、」
「……せやから、……ナオも、……エイキって、もう言わんでな…っ、?」
「え、?…えぇ、?……嫉妬、してるんっ、?」
「したないから言うてるねん…」
「っ、ふふっ、あははっ、?…っ、かわいい、せーちゃん…っ、」
「なぁ、約束してや…っ、」
「うん、…わかった。約束ね、?」
「ん。約束な、?」
少し拗ねたように、約束して、と言うセイちゃんが可愛くて、ふふ、と笑うと、セイちゃんもつられて笑い始めた。
「……ナオ、」
「ん、?」
ふいにセイちゃんが改まって、ナオを見つめた瞬間に、ポケットの中でスマホの着信音が大きく鳴った。
「……、ナオ、」
急にセイちゃんが不安そうな顔になったのを見て、スマホを取り出して拒否のボタンをタップした。
……もう、こんな奴、怖くあらへん。
そのまま着信拒否をすると、セイちゃんにその画面を見せた。
「もうセイちゃんだけやから、信じてな…?」
ちゃんと、セイちゃんだけやって、伝わるように目を見つめると、優しい顔でセイちゃんが笑う。
「おん、信じたるわ。」
その言葉を体現するようにセイちゃんから引き寄せられて、顔が近くなって笑い合うと、そのままお互いに誓うみたいに、ゆっくりと唇を重ねた。
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やばーーーーーーーーーい!! ついについに!! 初カップル爆誕! 次はどのペアなのか!!!! 個人的に予想は🦅☕️です! 今回も本当に最高でした✨ 次回も楽しみに待ってます♪♪

2話連続は通知2度見しましたららら😭嬉しい&ハピエンでこの回だけで3日は持ちそうです😹
セイナオ無事結ばれて良かったぁぁぁ😭