tg視点
今朝、鏡を見たとき、
「よし、今日は絶対、数字上げないぞ!」って思ったのに。
――ぴっ
また音がして、上を見たら。
「769」
tg …うそでしょ
思わず呟いた声は、誰にも届かないくらい小さかったと思う。
あっとくんがいつもの無表情で、窓の方を見てた。
ただそれだけで、数字が跳ね上がるとか俺、ほんとにどうかしてる。
モブ ちぐ、また上がってんじゃん
モブ いや、もうそれ好き通り越して愛やん
周りの声が耳に入ってくる。
笑われてるの、わかってる。でも、何も言えない。
tg 見ないでよ…
また、手で自分の頭を隠す。
意味ないのに、それでもやらずにはいられなかった。
あっとくんの頭の上を見る。
今日も、変わらない。
「0」
ほんと、すごいなって思う。
誰と話してても、誰を見てても、ずっと「0」
感情が動かない人なんだろうな。
それとも、ただ……誰にも興味がないだけ?
俺のことなんか、たぶん――
tg ううん…
ダメだ、考えちゃ。
好きとか、片想いとか、そんなんじゃなくて、
ただ憧れてるだけ。……ってことにしておきたいのに。
でも、目が合った時のドキドキは、本物で。
数字に出るくらいには、俺の心臓が勝手にバクバクしてる。
ずるいよ。
俺ばっかり、こんなにバレバレで。
あっとくんに、少しでも気持ちが伝わればいいのにって思う。
……でも、せめて。
「1」だけでも、見せてくれたら――
たぶん、それだけで、俺は一日中笑ってられる。
♡➡︎➡︎300
コメント
3件
続きが楽しみですっ♪