ポォォォォと汽笛を鳴らして黄泉列車は走る。行きは心地いいのだが帰りは結構心地よくない。理由は客が乗るからだ。俺は列車の中で目が覚めたが普通は三途の川を渡った先にこの列車の駅があるらしい。そして切符を拝見と俺が言うと皆自分のポケットに黄泉切符があるのに気づき、そして書いてあることに驚くのだ。天国に行く人は喜びの声を上げ地獄に行く人は泣いたり叫んだりしていた。まさに阿鼻叫喚だった。これをほぼ毎日見ることになるのか…そう思っていると車掌ちゃんが走ってきた。「どいてどいて!!」と俺を突き飛ばし運転室の方へと走っていった。そして車掌ちゃんが来た方から足音がする。音がする方向をむくと顔を包帯でグルグル巻きにして茶色いローブを着ていて、その手には…大きな鎌を持っていた。「うっ、うおっ。」とても驚いて尻もちをつく。黄泉列車がキキィィィという音と共に緊急停車する。そしてアナウンスが流れる。「えぇーどうもー運転手でーす。ただいま車両内に魂売買人が入り込みました。ただいま車掌達が迅速に対処致しますのでしょーしょーお待ち下さい、ごめーわくをおかけして、誠にもーしわけございません。」魂売買人?何だそれは。「車掌くん!!」と車掌ちゃんが大声で俺を呼ぶ「なっ、なんだよ!?」「戦闘よ!!」「は?」車掌ちゃんは何を言ってるんだ?そう思っているとスパァンと横で音がして右腕に激痛が走る。「うっ。」痛さのあまり腕を抑える…が左手は右の脇腹に当たった。(え?)と思い見てみると…俺の右腕が…「あ、ぁぁぁぁ、」無かった。「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」「っ。」車掌ちゃんが近づいてくる、そして俺の首根っこをつかみ信じられない力で俺を中に上げ、尻に膝蹴りを食らわせた。「痛っっ!!」首と右肩と尻が痛い、痛い、痛い。痛いという単語で頭の中がいっぱいになると車掌ちゃんが、「しっかりして下さい!!」と言ってきた。そして「右腕をよく見て下さい!!」と言われたので見てみると「え?」あるのだ、右腕が。「な…….何がどうなって。」「全く…運転手さんは説明してなかったんですね。」「は?」「後で説明します、だから今は…戦闘に集中して下さい!!」「戦闘?」「ほら!目の前の!」と言って魂売買人と呼ばれている存在を指さす。「あぁ、なるほどそいつか。」と言い、立ち上がる。「腕の痛みは大丈夫ですか?」と車掌ちゃんは俺のことを心配した。「フッ、お前に腹刺された俺が右腕切られたからって、今も痛いわけないだろ。」「だからぁ、その件は忘れてくださいってばぁ。」「なんで俺の腹刺したんだよ。」「思い出さないからです。」と彼女は少し怒って答えた。「思い出すって何を?」「来ますよ!!」そう言われたので魂売買人の方を見るがその姿は無かった。「え?何処に」「後ろ!!」咄嗟に振り返るがその時俺の視点が中を舞った。「ぇ?」そしてドサッという音と共に地面に転がる。(ああ、なるほど頭を切られたのか。)この時俺は自分の死後能力が何か理解した。(そうか、俺の死後能力は…。)その時自分の頭部が溶けるのを感じた。(ハハッ、やっぱそうか。)隣では車掌ちゃんが戦っている音が聞こえる。そして頭部が溶けて音が聞こえなくなり、そして俺は消えた。そして「ぶふぁぁぁ!!!」俺の頭部は切られた体から出てきた。「よっしゃぁぁ!!」「なんかキモいですね!!」「んなこと言うなよほぉら俺も戦闘に参加するぜ。」「さっさとしてください!!」そう言ってそこら辺にちらばっていた木の棒を持って魂売買人を殴ろうとする。しかし持っていた鎌で頭の上をを切られる。しかし振りかぶっていた勢いを落とすことなくぶん殴る。(どうやらさっき頭を切られたので少し慣れたらしい、切られた後2秒くらいなら意識があって体を動かせる!!)と思いまた頭が溶ける。そして復活したのだが…(あれ?)目眩がして少しよろける。(ん?何だぁ?)足取りが不安定になりドサッと倒れる。「車掌くん!! 」車掌ちゃんが戦闘中なのに僕の方を見てそう言った。「車掌…ちゃん。」そして意識を手放しかけたその時車力がグワンと揺れた。そして轟音がして俺はの体が中を舞ったのを感じた。その衝撃で意識を手放さずに済んだ。何事かと周りを見ると辺りは少し空が暗いため濁ったような色になっている草と知らない人が1人居た。「なぁ~にこれぇ~どぉ~なってんのぉ~?」という独特な喋り方の男がそこにいた。向こうから歩く音がしてそっちを見ると運転手さんが居た。彼の顔は少し怒っている。「おい、なんでおまえがここにいる。」「えぇ~別にぃ~良いじゃぁ~ん。」「良くねぇよ、大人しく豚箱に戻ってろよ、この囚人野郎が。」すると彼はいつの間にか運転手さんの目の前に居た。(速い!!)「酷いぃ~言い方ぁ~するねぇ~、まあぁ~今回はぁ~面白そうなぁ~事がぁ~起きてるから~特別にぃ~許してぇ~あげるよぉ~。」そう言って彼は魂売買人の所へゆらりゆらりと歩いて行く、車掌ちゃんは近くで倒れている。(やばい!!車掌ちゃんが巻き込まれる!!)そう思って彼女に駆け寄ろうとすると何処からか鎖が現れ行く手を阻んだ。(何だ!この鎖は!?)「君ぃ~新人くぅ~ん?」といつの間にか俺の目の前に居た。「あっ、えっと。」凄い威圧で真面に喋れない。「…邪魔ぁ~しないでよねぇ~?」「あっ、ああ。」威圧に押されてそれしか言えなかった。「だいじょ~ぶ、彼女はぁ~僕がぁ~しぃっかりぃ~守ってぇ~あげるからぁ~。」何もすることが出来ず、ただ、見守ることしか出来ない。どうせ手助けしようとしてもあの鎖が出てきて邪魔をするだろう。だから彼の戦いを見る事しかできない。「さぁ~て、ではではぁ~久しぶりのぉ~お遊びぃ~始めるかぁ~。」そう言って辺りにさらに凄い威圧…いや違うこれは…殺気だ。物凄い殺気が辺りに漂う。誰も動けない、何も動かせない。そうしてビシィィィと鎖と何かの金属がぶつかる音がした。「ふぅ~ん、こんなぁ~感じぃ~なのかぁ~。」と言ってさらに鎖を繰り出す。「んじゃぁ~本気でぇ~お遊びぃ~始めるぞ。」
(画像の地面が草じゃないのは許してください。後、服装はシマシマの囚人服だと思ってください。)
そう言うや否や彼は消えたそして魂売買人の背後に高速で周りこみ、そして鎖で心臓がある左胸を貫いた。「やっぱぁ~このぉ~程度かぁ~。」(あんな強いやつを一撃で!?)しかも車掌ちゃんの方を見ると傷ひとつ付いていない。「お前…何なんだ?」「僕ぅ~?僕はぁ~、囚人さんってぇ~呼ばれてるよぉ~。」「囚人…さん。」「うぅ~ん、よろしくぅ~ね。」「ったく、おい囚人さんよさっさと豚箱に帰れって。」と運転手さんは言う、「彼と知り合いなんですか?」「昔…色々あったのさ。」「そうだねぇ~、色々ぉ~あったねぇ~。」「その色々って部分は教えてくれないですよねぇ。」「当たり前だろ。」「まあぁ~久しぶりにぃ~遊べたしぃ~、僕はぁ~これでぇ~おさらばぁ~するよぉ~。」と言って目の前から消えた。「はぁ~、まさかあいつが来るとはなぁ~。」「まあとりあえず黄泉駅まで黄泉列車を走らせましょう。」「そうだな。」そう言って車掌ちゃんを抱え車両内に戻って行った。
とある場所で
「えぇー?死んだのかい?あいつが?ほぉー、どんなやつに?…囚人のような見た目のやつか、成程。うちの部下を殺した罪はしっかりと支払ってもらわないとね、こっちも商売なわけだし。」
その顔は笑っていた。
コメント
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遅れてすみません( ̄▽ ̄;)囚人さんを、この先どうやって出すか、過去をどうするかなどを考えていたら凄い時間がかかってしまいました。本当にすみません。コメントなどはジャンジャン下さーい。