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「お嬢様。紅茶をお淹れしました」


それは、紅魔館での何気ない出来事だった。

ふと何かを思いついたレミリアは、


「…咲夜。貴方もたまには飲んでみたら? 咲夜が紅茶を飲んでいるとこ、あまり見かけないんだもの」


と、提案した。


「わかりました。お気遣いありがとうございます」


レミリアが何を意図しているかも知らずに、咲夜はその提案を聞き入れた。


(私、猫舌だから、紅茶を冷まさないとだわ。 …でも、冷ましているところをお嬢様に見られるのは恥ずかしいわね。こんな時は…)


―時間停止―


咲夜以外の全ての時間が止まる。時間が止まったのを確認すると、咲夜は息を吹きかけて紅茶を冷ました。


(…もう十分かしら)


―時間停止解除―

「…いただきます」


咲夜はそう言って、紅茶を口に含んだ。


「熱っ!!」


するとレミリアは、「引っかかったわね」と言わんばかりに、くすくすと笑った。


「咲夜。時間が止まっているんだから、紅茶の温度は下がらないわよ?」


「な、何故それを…」


「かわいい従者のことだもの。そのくらいわかるわ」


紅魔館は結局のところ、今日も平和なのであった。



終われ

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1,126

コメント

5

ユーザー

咲夜さんかわえ〜!レミちゃんも子供っぽい所が好きだあ!

ユーザー

いや〜!神ですねぇ...( ´ཫ` )

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