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俺が部屋に入ってから、一度もまともに顔を合わせて話をすることもなく、
里穂はコンビニへと部屋から出て行った。
今回の困った状況になった時でさえ、彼女がこんな風に不自然な様子を
見せることはなかった。
時間の経過とともに、事の重大さに気づいたからとか?
一緒に警察署に付き添った日から大方2週間が過ぎている。
あのあと一度LINEの遣り取りで――
TikTok繋がりで一緒にオフ会に参加していたファンと連絡を取り、警察署に
行ってもらえるようになったという話は聞いていたが……。
そのあとの報告はなく、昨日連絡入れての今日に至るという感じだ。
聞くところによると、一昨日も婦警さんとのやり取りがあったみたい
だけど……。
一番肝心かなめの犯人と連絡が取れているのだろうか?
センシティブな内容だけに、こちらからは訊けないな。
果たして――
今日、その辺のところを彼女が話してくるだろうか?
仮に話してくれたとて、彼女からしても気持ちのいいものでは
ないだろうし、俺にしてみても、いい気分ではいられないだろう。
あれこれ思い悩んでいるうちに、またまたTikTokを覗いてみようと
思い至った。
悪いと思いつつ、彼女のパソコンを開いた。
レイプ犯は、長谷川と名乗っているヤツで、連絡はついているようだった。
ただ、その返信の内容がヤバい。
自分を何気に正当化し、里穂の迂闊さを責め、揚げ足を取るような文面が
そこには書かれてあった。
おまけにとんでもないshort動画が2本送られてきていた。
俺は急いで自分のパソコンにそれらを転送した。
そして、自分のした足跡をきれいに消し去りパソコンを閉じた。
自分のしていることは、明らかにプライバシーの侵害である。
胸の音がドキドキと早鐘のように鳴る。
俺は急いでテレビをつけてみる。
そして目を瞑った。
里穂が帰宅し、ふたりで弁当を食べそしてコーヒータイムを過ごす。
そんな時間を想像しつつ、気持ちはすでに自宅にあるパソコンの中の
short動画に向いている。
それから待つこと15分ほどして、里穂が帰宅。
話題に出たのは、すでに話してくれた婦警の話ぐらいで、犯人について
や他のTikTokのファンについてなどが話題に出ることはなかった。
覚えているのは、そんなことだけで、自分が彼女に何を話したのかは
全く記憶にない。
帰りの車の中でも自宅のパソコンの中に転送してあったshort動画の
ことばかりが気にかかり、流行る気持ちを抑えることができなかった。
コメント
1件
うわ、今回めちゃくちゃゾワっとしたわ…。主人公が里穂のパソコン勝手に見て動画転送するところ、倫理的にアウトな自覚ありつつも止められない感じが生々しすぎて、読んでるこっちまで心臓バクバクした。動画の内容まだ明かされてないのが気になりすぎる…続き待ってます🔥
AZ

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