テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
(デカいな……)
見て欲しいと言わんばかりに突き出してくる胸元が、動くたびに揺れていて。
何の捻りもない、男として定番すぎる感想を抱いてしまった。
大は小を兼ねるに従って、程よく大きな胸は好きだが真衣香ならばどちらでもいい。
“好きになった相手がタイプ”だなんて、うまく言ったものだな、と。最近は強く実感していたところだ。
そして、定番と言えばこちらも。
揺れる胸の持ち主は、ベアトップのサンタ衣装に身を包んだ女2人。
まあ、自信があるんだろう。前屈みに近づいてきた。
「うっほー、夢の逆ナン……ギャンかわ……」
明らかに目がハート状態の悪友に「そうか……?」と素で返す。
顔は、青やら赤やら頭上から照らすライトのせいでハッキリと見えないが、そんな中でも判別できるくらいには目やら口やら塗りたぐっている印象だ。
比べるように、坪井の頭の中に真衣香が浮かんできた。
(なんてゆーか、立花がなぁ、こう……ナチュラルに可愛いわけじゃん。化粧なんてそんなしてないのにさ、くりくりって目が可愛くてさ、何あれモモンガ的な? 俺の可愛いって今それ基準じゃん……)
その為なのか。隼人の可愛い基準には、うなずけなくなってしまっているようだった。
ちなみにモモンガは八木が言うところの豆柴に対抗したくて、小動物を画像検索しながら得た情報だ。
(我ながらバカだと思うけどなー、でも、絶対犬よりモモンガだって、あいつは)
「んー、あたし、あんまりイケメンすぎると濡れないんだよねぇ。 だからこっち!」
「ひぃ! サンタちゃん! 何気に酷い! けどけど可愛いーー! おっぱい半分出ちゃってるーー!」
「やっだ! 近いって近い近い……やん! 息かかるじゃん〜」
真衣香を思い出しているあいだに、隣が盛り上がりを見せる。バランスの悪いカウンターチェアに座る隼人。そこに跨がるサンタ女。