テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
(アホか、こいつ。 飲み過ぎだろ、どんなテンションだよ)
荒ぶる隼人が露出されている肌に唇を近付けると、サンタの格好をした女は軽く喘いだ。
ベアトップのサンタ衣装、位置はそこで合っているのか?と聞いてやりたいほどに、胸がはみ出ている。後少しずらせば間違いなくポロリと公共の場で出してはいけない部分が露出するんだろう。
「わ! マジ? やばいやばい! こっちのお兄さんドアップで見ても超イケメンー! モデル? 芸能人か何か? ねえねえ彼女いないの!?」
隼人に迫ってるのとは別の女が、坪井の顔を確認するように距離を縮めてきた。
「…………ちょっと、胸、近いって」
手のひらを盾に顔を背けると、ふにふにとした感触が伝わってくる。
(やべ、もろ触った)
チラリと視線をやれば、案の定、真っ赤な唇がいやらしくが弧を描いていくのが見えてしまう。
「やだ、もう触っちゃう〜?」
「はは、ごめん。わざとじゃないマジで」
「ええ〜? 今ステージ盛り上がってるから誰も見てないし〜。わざとでも……いいけど。でもやっぱホテルがいいかなぁ」
このサンタ女、どんだけ胸が武器なんだ? と、引きつった笑顔でカウンターを背に見上げるけど、酒の匂いも凄い。寝ても顔なんて覚えてないレベルかもしれない。
後腐れなさそうだし、これまでなら間違いなく誘いに乗っていたんだろう。理由として、身体つきは嫌いじゃないから。
「……ホテルって」
「えー、まさかトイレで済ませたりするタイプ〜? まあここのは広いけどさぁ」
気乗りしない反応を返したつもりだが、サンタ女はどう捉えたのか。坪井の手を取り、ぐっと胸に押しつけた。