目の前の悲惨な状況に固まることすら出来ずに、いつもの陽気な音楽とともにモノクマが現れた
「ほら、今回も用意しました〜!モノクマファイルV!」
俺たちは拒否する間もなくモノクマからモノクマファイルVを渡された
「くそっ!……やるしか、ないのか…!」
そして、俺は力強く目を瞑ると…覚悟を決め再び目を開いた
まず始めにモノクマファイルVを見てみた
死亡時刻は午後2時頃。
被害者は九頭龍冬彦。
完全なる肉塊で、その全てが打撃によるもの。
(…全て?武器を何個か使ったとして…その何個かっていうのは書いてもいいんじゃ…?まぁこれは一旦置いておくか…)
“モノクマファイルV”をコトダマにしました
次に目に入ったのは凶器だった
「…武器がゴロゴロ転がってるな…これ、使ったであろう面に血も着いてるし……まさかさっきの全てって……文字通り、ここの武器を全部使ったのか……?いや、そんな必要ないはずだろ?九頭龍になんの恨みが……」
“全ての武器についている血痕”をコトダマにしました
(…九頭龍は、ちゃんと辺古山のところに行けたのだろうか……?)
そんな心配が水滴となり頬を伝った…そして、その線の跡が冷えていくのと共に…俺自身の内側の温度が、確かに…急激に下がっていくのを感じた……
「……ん…?これ、写真か?…」
“誰かの写真”をコトダマにしました
「にしても…この部屋、武器以外ほとんど何も無いな……これじゃあ何も分からないし…色んなやつに話を聞きに行くか…」
九頭龍のコテージから出た俺は……手始めにすぐ近くに居た終里に話しかけた
「なぁ終里…死体発見アナウンスの前に何をしてたか教えてくれないか?」
「もちろんだ!オレ推理とか得意じゃねえし…まぁその分、大抵の勘は当たるんだけどな……だから、任せるぜ!」
「あぁ、それは今までもそうだったな…だからこそ終里のことは信じてるぞ…!で、何してたんだ?」
「あ〜、今日もいつも通り外周してからコテージに戻って筋トレしてたな」
「そうか、分かった、ありがとな終里」
“終里赤音の証言”をコトダマにしました
その後も1人を除く全員の話を聞きに周り、その時誰といたかとか…その辺はすぐに明らかになっていった…
…。
……。
………。
でも、そうやって調査を進めてくうちに…今までもあったはずの黒いモヤが……いつもよりも濃く…それでいて多く…俺の思考を乱していった
(俺らの中の誰かが九頭龍を殺すなんてこと、本当にあるのか?……いや、今は調査に集中…だけど)
「ねぇ日向クン、大丈夫?」
「うわぁっ!?あ、あぁ…悪い……ちょっと色々と考え事をしててな…」
(なんだ、七海か……いや、誰が声をかけてきても何を驚く必要があったんだ?……もしかしたら、九頭龍達が俺たちのことを見ててくれたのかもな…)
「とりあえず、あとは…狛枝に何をしてたか聞かないとな……」
そう言うと何故か俺は足早にそこを去った
(…何か考えてるみたいだな……話、聞くか…)
「な、なぁ狛枝…その、今朝何してたかとか…アナウンスの時どこにいたかとか…ちょっと、詳しく教えてくれないか?」
狛枝は俺の顔を睨むような目つきで見てきた
「…こ、狛枝?……俺の顔…なにか変か?」
そう言うと狛枝は、なにか独り言を呟いてから俺の質問に答えた
「…いや、特に何もないよ……ちなみに言うと、僕はずっとここに居たよ…レストランで話した通り…僕はただここに座って裏切り者さんとやらを待ってただけ……」
狛枝はそう答えると、また無言になってしまった
「そ、そうか…」
俺はそれ以上、何も言葉が出なくなった
そして、例のチャイムが心做しか…さっきよりも大音量で鳴り響いたように聞こえた
【ピーンポーンパーンポーン】
「え〜、時間になりました!最後の学級裁判が始まるので、モノクマロックの前までお越しください!」
(いよいよ始まる…始まってしまう……最後の学級裁判…この中の誰かが……本当に、九頭龍を殺したのか…?いや、今は…なんとしてでも、犯人を見つけてみせる…!)
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