スカーレットは少し考え
「いつからだったかしら?忘れちゃったわ」
「た、確かに…私より前にいましたね…」
とメズルが言う
メズルは数千年前からいると記されている
「じゃあスカーレットはんの資料探せばわかりゃんせん?」そういうと資料館の中に入っていくカナハ
「無駄よ」とカナハの背に声をかける
「私の資料は無いわ」といい首を振るスカーレット
「え゛なんで?無いわけが無いっすよ?
だって僕ちゃんと記録し…ムゴゴ!? 」
そこまで言うとネムがピューレの口を塞いだ
「記録者の”カンバ”は死んだ、でしょ?」
とネムが言うとピューレはビクッとし涙目になりながらこくこくと首を縦に振る
「カンバ…は死んだっす……」と自己暗示するようにぶつぶつと言う
メズルはどうしたらいいのかとオロオロし
スカーレットは無言、ピューレは耳を塞ぎブツブツと何かを言っている、ネムはピューレを落ち着かせるために背中をさすり、 カナハは眼鏡を弄りながら何かを考えている様子だ
「なんか騒がしいなー思たら…」
2階から喋りかける関西弁の男
「あ、酒井」と唯一反応したのはネム
「エセ関西人っすね」と回復したのかピューレが言う
「誰がエセや!」という酒井のツッコミ技術はエセでは無いようだ
ピコンッとネムのスマホが鳴る
「あ、仕事」と嫌そうにしながらスカーレットに言う
「あら嫌そうね」とネムの頭を撫でるスカーレット
「俺らは何を見せられとるんや……」
「酒井」と機械のように冷徹な声が和やかになっていたその場を凍らす
「お前勝手にどっか行くな〜?迷子になったろ?」と当の本人の酒井はニコニコしている
「…ッ」と声を漏らすピューレを察しピューレの前に立つカナハ
「ラール、何をしに来たんどす?」といつものヘラヘラした態度はなく、相手の真意を見極めるように目を細める
「なぜ敵意を向けるのですか」
ラールと呼ばれた中性的な人物はカナハの質問に返答せず質問をする
「…ピューレを出してください」
「ッ!!」ラールに名前を呼ばれビクッと反応するピューレ
数十秒沈黙が続きピューレを出さないと悟ったラールはいとも容易くカナハを突き飛ばす
「ッーーー!!」数メートルほど飛び壁にめり込む
スカーレットが「カナハッ!」と声を上げるとラールはスカーレットの首を絞め、空を飛ぶ
「グッ…」と苦しげな声を上げるスカーレット
ネムはピューレの声が漏れないように手で口を塞いでいる
「……なぁーんちゃって?」とスカーレットがラールの腕に手をかけると一息のうちに骨を折る
ボキッという音が響く
「ひッ…」とピューレが声を上げてしまう
「ようやく喋りましたね」ラールがスカーレットを蹴り飛ばす
ラールがネムを少し飛ばしピューレの腕を掴む
「早く命令してよ!」とネムが声を上げる







