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雨は上がり、快晴に。
雲ひとつなく、晴れ渡る青空。だが、遠くを見れば月陽を濡らした雨雲が見える。
今日は風の強い日だ。
ベランダから夜桜を見送る。水溜まりに太陽が反射してキラキラしていた。
(夜桜はやっぱり眩しかった)
いつまでも少し歩いては振り返ってを繰り返す夜桜を月陽もまた、見えなくなるまで見送った。
道路に夜桜の姿が見えなくなった途端この景色が色褪せたように感じた。
ベランダから部屋を覗けば何も感じることは出来なかった。
騒がしさも、彼女の優しさも。
部屋はさっきまであんなにも狭かったのにやたらと広く感じ、今はとても無機質だ。
一旦夜桜は帰り、着替えやら何やら準備してくるといい出ていった。
泊まる気満々である。
私の貸したTシャツとジャージを着た姿で。
つまり、ノーブラ、ノーパンで意気揚々と帰っていった。
大変、心配である。