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あ、やばい。そう思うもバイトの時間は変わらない。
急いでバイトの準備をしなくては怖い先輩に殺される。
夜桜はそれだけは勘弁と、雑な身支度で家を出た。
結果から言えばその日の寝過ごした私には感謝だ。
OK、間に合った。息を整えて、残り数メートルは歩いて向かう。
入口には何かウロウロしてる人がいる。
(入りたいのかな?)
遠目では分からなかったが、その人に近づくと何とも精巧な人形かと思うほど整った顔立ちをしていた。
ふと、昨日のことを思い出す。終業式で、そそくさとクラスから出ていった子が居て、何となく目で追ったらとてつもない美少女だったな、と。
(なんで、1年間一緒にいて気付かなかったんだろう)
思えば、いつも下を向いて、いつも1人でいる子が居た。あれは、この子だったのか。
夜桜は彼女のことを無性に知りたい衝動に駆られる。
(名前、名前なんだっけ!えーっと、えー、そうだ!月陽だ!珍しい名前で綺麗な響きだから覚えてた)
あー、ドキドキしてきた。
乾咳をして、喉の調子を整える。
言うぞ、言うぞ。
自然な感じで、あれ?偶然だねー、的なノリで行こう。
「あれ?えーと、月陽さん?」
「ふぇ?」
なにそれ、可愛すぎか?私を殺しに来てるんか?
でもこの様子は、私の事覚えてないな。地味にショックだ。とは言え、私も忘れてたしな。人のこと言えんわな。
「やっぱ覚えてないよねー。貴女と同じクラスの夜桜でーす」
ポカンとして、一言だけ、「あ、ども」
「そんだけっ!?」
悲しくなった。