テラーノベル
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見 ~ つ け た _ ?
『 みぃつけた。___ねえ、ゆあんくん? 』
目の前に佇むその姿を見た瞬間
俺の心臓は嫌な音を立てて跳ね上がった。
夕暮れが街を赤黒く染めていく。
長い影が伸びる寂れた神社の裏手で、
そいつは笑っていた。
トレードマークの音符のTシャツ。
見覚えのある、いたずらっぽく細められた瞳。
うりだ。
10年前、ある日突然姿を消して
それっきり行方不明になった、
俺の幼馴染。
だけど、おかしい。
俺は今、17歳。
体も大きくなって、
声だって変わった。
なのに、目の前にいるうりは、
あの日と同じ
――7歳の姿のままで
あどけない笑みを浮かべている。
『 もう一回、かくれんぼしようよ 』
鈴を転がすような、高い子供の声。
それが頭の奥に不気味に響く。
うりは小さな人差し指を口元に当てて、
悪戯っぽく微笑んだ。
『 今度 “は”、ちゃんと見つけてね?』
今度は…?
違和感が胸の奥の澱を激しくかき混ぜる。
頭痛がした。
強烈な既視感とともに
10年間、脳の引き出しの奥底に仕舞い込まれて
風化していた記憶のピースが、
一気にはまり込んでいく。
――そうだ。思い出した。
10年前のあの夏の日。
俺とうりは
ここでかくれんぼをしていたんだ。
うりはかくれんぼが天才的に上手く
俺はどこを探しても彼を見つけられなかった。
空がどんどん赤くなって、
カラスが不吉に鳴き始めて。
寂しさと
怖さに耐えきれなくなった7歳の俺は、
うりを探すのを諦めて、
泣きながら一人で家に帰った。
― 次の日には、もう忘れていた ―
人間は、あまりにも恐ろしい現実を前にすると
心を守るために記憶に蓋をするらしい。
翌朝、うりの家が大騒ぎになって
警察が来て、街中が
《 行 方 不 明 》
のニュースで持ちきりになっても、
俺の頭からは
― 昨日かくれんぼをした ―
という記憶だけが、
綺麗に抜け落ちていた。
どうして忘れていられたんだ。
どうして、うりがどこに隠れると言っていたか
今の今まで思い出さなかったんだ。
『ゆあん、俺絶対にバレない特等席知ってるんだぜ?』
『今度やるとき、そこに隠れるからね』
あの日、うりが自慢げに話していた場所。
ガタガタと震える足で
俺は神社の境内のさらに奥、
古びた錆びだらけの柵に囲まれた
古い井戸へと歩み寄った。
もう誰も使っていない、
深く、
暗い井戸。
恐る恐る中を覗き込む。
光の届かない暗闇の底。
そこには___
赤錆びた10年前の小さなスニーカーと、
泥に塗れたぬいぐるみが転がっていた。
「___っぁ、」
声にならない悲鳴が喉に詰まる。
あの日、うりはここに落ちたんだ。
暗くて、
狭くて、
冷たい井戸の底で、
彼は怪我をして動けず
ずっと待っていたんだ。
大好きな親友が、
「みぃつけた」
って笑って
上から覗き込んでくれるのを。
なのに俺は、探すのをやめて
家に帰って、全部忘れて、
のうのうと17歳まで生きてきた。
「やっと、見つけた……っ」
ボタボタと涙が溢れて
井戸の暗闇へと吸い込まれていく。
振り返ると、
7歳の姿のうりが、満足そうにふにゃりと笑った。
その輪郭が、夕暮れの光に溶けるように
少しずつ透けていく。
「ごめん、うり….っ、」
「見つけてあげられなくてッッ、、」
「本当にごめん…..ッ」
泣き叫ぶ俺の声は
赤く染まった境内に
ただ虚しく響き渡るだけだった。
『 ありがと。みつけてくれて____ 』
俺の脳内には
その薄れた言葉だけが響いていた。
ど ~ も 。
最 近 y a u r / u r y a に ハ マ っ て お り ま す 。
一 話 完 結 上 手 く な っ た か な ?
コメント
3件
え、待って、めちゃ泣けるんだけど、、、!
...ぼろなきだ...目が死んでる...目がぁ!!目がぁ!!続き待ってます!!
おお…これはまた、重くて切ないラストでしたね。 夕暮れの神社、7歳のままのうり、そして10年越しに見つけた井戸の底——。ひとつひとつの描写が映像のように浮かんできました。“忘れていた”という設定がラストでこれほど効いてくるとは。自分だけ時が進んで、相手だけが止まったままだった、その時間の残酷さが胸に刺さります。 「ありがと。みつけてくれて」という最後の言葉、すごく良かったです。短いのに、10年分の想いが詰まっている感じがして。 一話完結、じゅうぶん決まってますよ。読み終えたあと、しばらく余韻から抜け出せませんでした📖
#かくれんぼ
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