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狂ってる… 直美さん私もそう思うよ。 家族の誰か来てくれないかな😨
「直美」
家の前にいた夫は、立ち止まった私に向かって勢いよく駆け寄って来ると
「直美っ、どうしたんや?俺の前からいなくなるなんてあり得へんやろっ」
と、私の両肩を掴んで唾を飛ばす。
「……なんで…来たん?」
今、私は派遣登録をしてきた帰りだ。
いきなり正社員でなく、残業などのない派遣から始めて正社員へ、という無理のない働き方をするのが私にとっても亜優にとってもいい、というのが家族で相談した結果だったから。
そして今日は今から、姉の旦那さんの実家で忘年会をするので、私たちも誘ってもらっている。
母が亜優を連れて先に行って手伝いをしているから、家が留守だったのが幸いか。
父が仕事から帰れば、私と父が一緒に参加する予定だ。
「なんでって、俺の直美を迎えに来たに決まってるやろ」
「……お義父さんたちは亜優を迎えに来てはったけど…?」
「亜優なんかどうでもええっ!」
……え…っ?
「どうでもええ……って…な、に?」
「どうでもええもんはどうでもええ。直美は俺と一緒にいなアカン」
どうでもええもん…?
「なんや、その顔は…うん?俺は直美だけがいたらええねんっ!」
「っ…たっ……放してっ……」
グイッ……と夫の指が腕に食い込み痛くて、両手で彼の胸を押した。
コートの上からでも痛いって、どんな力で掴んでるのよっ!
「俺を避けるってか?なぁ?何がどうなって、直美はここにいるんや?」
「何がどうなって……?弁護士さんから…連絡があったやろ?こうして会うのも禁止やで」
「俺と直美の間に入る人間なんか必要ない。こんなに好きやのに、会うのが禁止ってそんなこと誰にも言われる筋合いないわ。な?そやろ?弁護士でも、裁判官でも、親父でも、亜優でも、俺と直美の間に入ることは出来ひんのや」
「狂ってる……」
夫の異常な執着心は、どこまでも自分勝手な子供じみたものだと感じた。