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直美さん⤴︎いい!いいよ〜っ!!! この際もっと言ってやれ〜っ!!! コテンパに言ってやれ〜っ!!!
「ああ、俺は狂ってるよ、直美にだけ狂ってる。それだけ好きってことや」
「ち……がう……そんなん好きって言わへんっ。なんで普通に好きでいて、生まれた子どもも好きでいて、ってことが出来ひんのっ?私は、ハルくんにもっとちゃんと亜優の優しいパパになって欲しかったっ…」
「なんで亜優の話が出てくる?」
「はぁ……っ?」
何かが私の中で弾けた気がした。
どこまで狂った言い分なんや……許せない。
「私は亜優のママで、いつだって亜優のことを考えていて当たり前やんか。おかしなことばっかり言わんといてっ!」
誰もいない道路で、季節に似合わない汗を額に滲ませながら叫ぶ私に
「亜優のママは後付けの付録みたいなもんや」
「はぁ?ハルくんがパパなんも後付けで、付録ってこと?」
「まあ、開けもしないどうでもええ付録…」
バシッ……ッ……
「黙ってっ、もう喋りたくない、顔も見たくないっ……帰ってっ……」
初めて人を叩いた手のひらが、ジンジンする。
「な…ぉ……み?」
私に渾身のビンタを食らった頬を手で押さえた夫が、小さく私を呼んだ。
「名前も呼ばんといてっ。ずっと、ずっと、ずーっと我慢してきたっ……」
こんな道端で、無理やり抱かれたことを叫ぶほどは正気を失ってはいない。
ただ、これまで夫に逆らえなかった自分を開放した。
「子どものパパになれない夫なんていらないっ。一緒に子どもを可愛がれない夫なんていらない。そんな人と結婚したことを悔やんでも悔やみきれないくらい……私の人生最大の黒歴史やわっ!好き、好きって高校生みたいに言って、イチャイチャしてるだけでは家族になれるわけないやんっ。ホンマ、アホちゃう?」
あっつ……頭に血がのぼってくらくらするけど、負けないっ。
ここで頑張って亜優を守れてこそ、母親だもの。