ちょっとアメリカがキャラ崩壊します。
ナチス「さて、どこに逃げるか?」
イタ王「さすがにioの家とかナチの家とかはまずいよねぇ。」
日帝「二人ともすまないな。
…ここまでくれば一人でも逃げられる。降ろしてくれ。」
ナチス「何故だ?」
日帝「何故って…米帝に見つかりでもしたら今度はどうなるか分かりませんよ?」
ナチス「…お前一人で見つかる方がまずいだろ。」
イタ王「んね。」
はぁ、こいつはこの期に及んでそんなことを気にしてるのか?
それに相手も大国だ。痴情のもつれで他国を殺害、だなんて噂になれば立場が危うい。
我々の息の根を止めるまではしないはずだ。
イタ王「さ、行こ行こ!早く隠れ場所探さないとだからね!」
ナチス「我々としては、知らないところでお前がああいうふうにされる方が問題だしな。」
日帝「…ありがとう。」
単独での逃走は思い留まったようだが、まだ申し訳無さそうな顔をしている。
別に迷惑なんて、あの時互いにかけまくっていたんだし今更気にすることでもなかろうに。
イタ王「とりあえず誰かの家で匿ってもらう?」
ナチス「ああ。極力アメリカが見逃しそうなところにしよう。」
イタ王「よし、決定なんね!」
とは言えど、一体どいつの家ならいいのか。
知り合いなんて元枢軸国くらいしかいないが…。
それにしても日帝の身体に発信器が埋め込まれてなさそうでよかった。
携帯にはGPSがついていると言っていたがそれもアメリカの家に置いていったしな。
とはいえ、懸念もまだまだあるのだが…
イタ王「ところでさ、」
イタ王「なんで二人でホテル行ってたの?」
日帝・ナチス「………ぇ。」
日帝「見られて…たのか?」
イタ王「当たり前じゃん。それでわざわざアメリカん家までついてったんだから。」
なるほど、そういうことだったのか。道理で我々を助けに来れるわけだ。
ナチス「…勘違いしないでほしいのだが…」
日帝「これには深い理由があってだな…」
イタ王「あっはっはっはっはっはっ!!」
イタ王「えーっ!そんな事ある!?この日帝が?」
日帝「…だから言ったじゃないですかぁ…絶対茶化すって…。」
イタ王「いやー、面白いわ。こんなキレイに堕とされることってあるんだねぇ。」
日帝「堕ちたわけではない!!ただその…」
イタ王「わかってるわかってる、よくあることだから安心していいんよ。」
ナチス「よくあることなのか?」
イタ王「ioがそうしたってわけじゃないけど、そういう子とか結構いたんね。
まぁストックホルム症候群?ってやつに似たもんなんじゃない?」
ストックホルム症候群。確か誘拐や監禁の被害者が加害者に好意的な感情を抱く現象だったか。
イタ王「大丈夫大丈夫、わざわざナチになんか抱かれなくても、すぐ好きじゃなくなるって!」
日帝「っ別に好きってわけじゃないぞ!!!」
イタ王「えぇっ!!じゃあ実はシンプルにナチを狙って行ったってコト!?」
日帝「一回黙らんかこのパスタぁ!!!!!」
ナチス「ははは…。」
なにはともあれ、日帝に少し元気がでてきたようでよかった。
結局、元枢軸の誰かに匿ってもらうことにした。
最初に頼んでみるのはルーマニア王国。
実は枢軸の中ではイタリア王国と張り合えるくらいの力を持っていた国だ。
イタ王「ここがルーマニア王国の家だよ!」
相変わらず魔女の家みたいな外観をしている。家主のルーマニア王国が魔女なのだから仕方がないが。
日帝「私はあまり彼女と話したことがないのだが。迷惑ではないか?」
イタ王「まぁいいんじゃない?そーゆーこと気にする子じゃないし。
とりあえず話だけでもしてみるんね!」
羅王「却下だ。」
ナチス・イタ王「えっ。」
日帝「ほらな。すまなかったな、ルーマニア、無理を言って。」
そうだった。ルーマニア王国は明るいように見えて、時分のテリトリーになかなか他人を入れたがらない性分の奴なのだ。
だが今回だけはやすやすと引き下がってもいられない。
ナチス「ルーマニア王国よ、日帝はこれでも信用に値する人間だ。元仲間だろう?」
羅王「って言ってもねぇ、嫁入り前の女のコの家に男匿えってどういう神経してんのってハナシですよ。」
ナチス「大丈夫だ、こいつは勃たん。」
羅王「そういう問題じゃないのよ…。とにかく、ダメなものはダメなの。」
日帝「そうですよ先輩、他にも仲間ならいますし。」
イタ王「まぁ女の子は色々あるもんね。ありがと、ルーマニア!」
ナチス「そうか。すまなかった、急に押しかけて。」
羅王「ん。ごめんね、折角頼ってもらったのに無下にしちゃって。日帝のことが嫌いなわけじゃないから。」
日帝「ああ、ありがとう。」
イタ王「……で、全員無理って…そんな事ある?」
読みが甘かったな…。いきなりこんなこと言って承諾してくれるはずがない。
さらに困ったことに、日も暮れかけている。
夕暮れの公園でうなだれる軍服男三人組なんて不審者以外の何者でもない。
日帝「すいません…私の所為で…。」
ナチス「…フィンランドは押せばいけそうじゃなかったか?」
日帝「さすがに彼女持ちの家に居座るのは気が引けます。しかも幼女だったし。」
確かにそれには驚いたな。クールな顔をして実はあんなシュミをお持ちとは。
しかもタイに至ってはなんか性転換していたし。
ナチス「で、どうするか…気に食わんがソ連に頼んでみるか…?」
アメリカ「クソコミーがなんだって?」
デジャヴだろうか。遠くから奴の声が聞こえてくる。
私とイタ王は日帝を守るようにアメリカに立ちはだかる。
ナチス「来たなアメリカ。今度こそ日帝は渡さんぞ。」
アメリカ「へぇなに?王子様気取り?ってか渡すも何もおまえのものじゃなくない?」
イタ王「君のものでもないと思うけど?」
アメリカ「HAHAHA!降伏させたのはオレだぜ?
先に尻尾巻いて逃げたお前らと違ってオレには日帝チャンを所有する権利があんだよ。」
相変わらず無茶苦茶な理論だな。前から馬鹿だとは思っていたが、こんな馬鹿なことを言うとは分からなかった。
イタ王「所有だなんて随分古臭いこと言うんね。
この発言をお仲間さんが聞いたらどう思うんだろうねぇ?」
アメリカ「お前らとオレじゃあ信用度が違うぜ?所詮糾弾したところで「またバカなこと言ってらあ」で済まされるハナシだ。」
ナチス「そうか、お前も信用があるとはお世辞にも言えんがな。よく聞くぞ?
適当な理由でっちあげて安全圏から戦争仕掛けてたってな。」
アメリカ「なんのことだか?」
…何か妙だ。こっちは無防備だというのに、なかなか手を出してこない。
それになんだか視線が斜め上に行っている。
………もしかして、さっきのキスのことを気にしているのか?
憶測かもしれんがイタ王に耳打ちすると、たちまちにんまり顔で、アメリカへにじりよりだす。
アメリカの方は距離を詰めさせまいと後ずさりする。図星か。
イタ王「なんで?ioのこと怖がってる?」
アメリカ「…あ?やる気か?臆病者のくせして殊勝なことだなぁ。」
勢いよく吐き捨ててはいるものの、目は絶対に合わせようとしない。
イタ王「……へぇぇ、もしかして、ioのキス
そ・ん・な・に・気・持・ち・よ・か・っ・た・ぁ・?」
アメリカ「調子に乗るなよパスタ風情が。よくも日帝の前で恥かかせてくれたな?
おとなしく帰ってママのオッパイだけ吸っときゃあまだ五体満足でいられたのにな?」
イタ王「ヒェッ…」
形勢逆転が早すぎるな。
イタ王「い、一旦落ち着こ?ほら、目の前で仲間を殺しちゃったら、日帝にもっと嫌われちゃうんよ?」
アメリカ「『もっと』ってなんだよ。今も嫌われてるっていいたいのか?」
イタ王「あっ………」
本当に腕の一本もいでいきそうな気迫だが、おかげでこちらには気が向いていないみたいだ。
イタ王には悪いが、この隙に日帝を逃させてもらおう。
アメリカ「あっそうそう、あんなこと言ってたのにお前もよくそうやって味方ヅラできるなぁ、ナチスがよぉ。」
チッ…ダメだったか。
逃走は許されないみたいだな。強行突破も勿論無理だし…。
…文字通り絶対絶命か?
アメリカ「イタ王の次はお前だからな。ただで済むと思うなよ?」
日帝「やめてくれアメリカ。センパイは…先輩はそんな人じゃない。少なくとも、私に対しては。
だから、見逃してくれ。」
今まで黙っていた日帝が絞り出したような声を上げる。
だがそうやって頑なに庇うのが、先ほどからどうやらアメリカの精神を逆撫でするらしい。
イタ王「えっと…ioは?」
日帝「勿論イタ王もだ。あの…アレは、ファーストキスじゃないだけまだましだろう。
私なんて大嫌いなお前にはじめてを奪われたのだし。」
アメリカ「大嫌い…?」
今までかろうじて口角だけは上がっていたのがついに無表情になってしまった。
どうやら特大の地雷を踏んでしまったらしい。
怒りで日帝に掴みかかるが、呆気なく払われ、地面に倒れ込んでしまう。
次に備えて身構えるも、起き上がろうとはしない。
アメリカ「もう…お前らのせいでめちゃくちゃだっての…。」
日帝「私は貴様に全て滅茶苦茶にされたがな。」
アメリカ「うっさい、愛してんだよ、愛してんのにさ?
なんでオレのこと好きになってくれないの?なんでオレじゃなくてナチスなの?
なんでこっち見てくれないの?ずっと嫌いっていうの?
やだよ、 やだよ、 やだ…」
声がどんどん泣き声交じりになって、崩れ始めた顔を隠すようにうずくまる。
アメリカ「…なんで日帝外に出しちゃったんだろね?オレのことちょっとは好きになってくれたと思ったんだけどなぁ?なのにさ…」
そこまで言うと黙りこくって、代わりに小さく嗚咽が聞こえてきた。
日帝「……貴様、泣いてるのか」
そう言われてついに我慢が効かなくなったか、嗚咽が号泣の声に変わった。
アメリカ「こん゛なに愛し゛でんのにさぁ!好゛きな゛のはナチスだって゛、もう勝゛てない゛じゃん!勝て゛ないがら上書き゛しだがったの゛に!」
日帝「………!」
アメリカはさっきまでの態度からは考えられないほど幼気に泣きじゃくる。
日帝にこれだけ愛される私がずるいだの、抱いている最中にあんな顔晒してしまって恥ずかしいだの、ひっきりなしにわんわん泣いている。
そして日帝は何を言うでもなくそれを見つめている。
無言で、今まで自分を支配していた男の醜態を目に焼き付けている。
変なところで終わってすいません。
今回出てきたルーマニア王国ちゃんはルーマニア王国ちゃんでありルーマニアではありません。
ルーマニアって呼ばれているけどルーマニア王国です。
地の文が多いと読みにくいし書きにくいので会話文を増やしました。
個人的にはこっちの方が筆が進む気がします。
コメント
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久しぶりに神作見た…!!!!!! 大好きっす本当情景が想像出来て最高っすありがとうございます
アメリカのこうゆー子供っぽいところが俺は好きです(初コメ失礼します)
アメリカくそおもろ(笑)