テラーノベル
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次の瞬間。
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腕を、強く引かれた。
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「っ…!」
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そのまま、抱き寄せられる。
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今までで一番、強い力。
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「やっとかよ…」
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耳元で、低く呟く声。
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少しだけ、震えていた。
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「どんだけ待たせんの」
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ぎゅっと、さらに強く抱きしめられる。
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息ができないくらい近い。
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「……ごめんなさい」
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「謝んなくていい」
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すぐに返される。
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少しだけ顔を離される。
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でも距離は、ほとんどない。
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「もう我慢しないから」
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その言葉に、また心臓が跳ねる。
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「覚悟して」
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次の瞬間——
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手を取られて、指を絡められる。
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恋人繋ぎ。
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「……っ」
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逃げられない。
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でも、逃げたくない。
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「今までの分、全部やる」
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少しだけ意地悪な笑み。
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そして——
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「これも」
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不意に、額に触れるくらい近づく。
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呼吸が重なる距離。
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「慣れろよ」
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そのまま、軽く抱き寄せられる。
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さっきよりも、ずっと自然に。
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「……無理です」
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小さく答える。
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すると彼は、少しだけ笑った。
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「だろうな」
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でも——
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手は、絶対に離さない。
コメント
1件
うわあ、もうこのシーン……ずっと待ってた感が一気に込み上げてきました。「どんだけ待たせんの」って言う声が震えてるのがもう、たまらなくて。手を離さないって言う強さと「慣れろよ」の絶妙な余裕、両方あってすごく好きです。恋人繋ぎ、逃げたくないって思える距離感、じんわり沁みました🤍
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