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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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虎直(虎杖悠仁×禪院直哉)です。続きません。五条先生が想像以上のクズになってしまったかもしれない。直哉くんが可哀想です。もし、死滅回遊が無事終了したら。直哉のクズ度は相変わらずゼロ。なんでもOKという方はどうぞ!






羅索による呪術を与えられた者たち同士の殺し合い、死滅回遊が無事終わった。なんとか五条先生を解放して全てを終わらせてもらったのだ。悠仁は安堵した。釘崎も伏黒も五条先生も生きていた。だけど…ナナミンは…。やっぱいいや。

その一方悠仁は脹相と共に行動していた時に会った「禪院直哉」という男性の行方が気になっていた。脹相に任せたままどうなったかは聞いていない。だが、つい先日禪院直哉を高専で見かけた。渋谷で見たような整った顔ではなく顔の半分が包帯とガーゼで覆われていた。一体何があったのだろうか。そういえば真希先輩の手によって禪院家が壊滅したという噂が流れていた気がする。もしかしたら真希先輩にやられたのかもしれない。そう思いながら高専の廊下を歩いていると床に座り込んで寝ている直哉さんを見かけた。


「直哉さん、こんなとこで寝てたら風邪引いちゃうよ」


「う…んん…?誰や?」


目を覚ました直哉さんが俺に問いかける。


「俺は虎杖悠仁です!渋谷で会いましたよね!」


「虎杖…悠仁…。あぁ、例の宿儺の器くんか」


「そうです!こんなとこで寝てたら風邪引くッスよ」


「別にええんやけど…。まあ、ありがとうな。部屋戻るわ」


「またね!」


手を振ると直哉さんも控えめに返してくれる。途端に俺の中にとある疑問が浮かぶ。彼はこんな性格だっただろうか?もっとこう…キツめな…堂々とした性格だったような…。


「虎杖」


急に横から誰かの声がした。伏黒だった。


「うお!伏黒どうしたんだ?」


「俺達に任務が入った。行くぞ」


「分かった。…伏黒、禪院直哉って人居るじゃん?さっき見つけたから話しかけてみたんだけどなーんか性格が違う気がすんだよな」


つい俺は先程疑問に思ったことを口に出してしまった。


「あぁ、直哉さんか。確かに俺が小さい頃、禪院家に五条先生に連れられて行った時と雰囲気は違う気がするな」


「だよな。なんでだと思う?」


「…真希さん見下してたみたいだから真希さんにやられてプライドでも折られたんじゃないのか?」


やはり真希先輩にやられていたか…。


「虎杖。一つ忠告しておく。直哉さんとはあまり関わらない方がいいぞ」


「?」


「メンタルがボロボロだったとしてもクズには変わりないらしいから暴言投げかけられるかもだからな。俺もこの前『近付くなや。雑魚の分際で』て言われたからな」


「…そっか」


でも俺はそう思わないなぁ、という言葉は言わず飲み込んだ。


「直哉さん」


「…恵くんやん。どうしたん?」


声をかけた直哉さんの目元には隈があった。顔にあるガーゼも増えている気がした。だけど小さい頃禪院家に連れていかれた時に見た直哉さんは躯俱留隊の人たちを殴ったり蹴ったりしていた。五条先生から聞いた話では男尊女卑の最低野郎だと聞いた。そんなイメージがこびりついているため俺は直哉さんに対しての警戒心が一向に解けない。


「五条先生が呼んでましたよ」


「そうなん?報告ありがとうな。…行ってくるわ」


不意に俺の頭にポンポンと直哉さんの手が置かれる。びっくりして直哉さんからズザッと距離をとった俺に直哉さんは「思春期やなぁ」と言って笑う。


「…やめてくださいよ」


そう言った直後に直哉さんは俺の目の前からフッと消えてしまった。





「あ、直哉〜。来た来た。ちょっとこの任務変わってくんない?」


もちろん俺と悟くんの等級は違うので差し出された任務は特級案件だった。俺は一級なので勝てるはずがない。だけど「行ってくれるよね?」と言った悟くんの表情は笑ってるけど目が笑っていないという感じでとても怖かった。うん、と頷かずにはいれなかった。


「じゃ、補助監督は伊地知がつくから」


悟くんの横には伊地知さんが居た。どうせいつもの通り悟くんに脅されて仕方なくしているのだろう。俺は可哀想だなぁと思った。


「じゃあ僕は授業しに行ってくるね!」


悟くんはそう言って1年生の教室へ行ってしまった。




ガラッと扉が開いて五条先生が入ってくる。


「あれ?五条先生任務じゃなかったかしら?」


釘崎が五条先生に問うと五条先生は頷きながら「そうだったんだけど直哉に任せてきたよ〜」と言う。その言葉に俺と虎杖は目を見開いて驚く。


「何考えてんの先生!特級案件でしょ!?」


「いくら何でも直哉さん死んじゃいますよ!?」


「大丈夫だよ〜…。特級の中でも雑魚そうなやつだったし?」


呑気にあくびをして眠たげな五条先生に釘崎も怒鳴った。


「…五条先生、アンタ流石にやりすぎじゃないかしら!?伏黒、虎杖!加勢しに行くわよ!」


「わっ、ごめんって!そんなに怒るとは…。僕もついていくよ〜!」



「な、直哉さん…。嫌でしたらこのまま逃げましょうか?」


「いや、そんなことしたら伊地知さんが悟くんに怒られるやん。別にええで。任務やるから」


そうは言っても…!と伊地知の中に「心配」という気持ちが駆け巡る。


「…着きました。ここが任務場所です。直哉さん!遭遇した時は遠慮なく逃げてくださいね!帳を下ろします。ご武運を!」


直哉は「はいはい、分かっとるよ」と生返事をして帳の中へ入ってしまった。



「っうえ、ケホッ…!」


呪霊にやられた怪我が動く度に痛む。意識も朦朧としている。もしかしたらここで死んでしまうのかもしれない。否、死んでしまった方がいいのかもしれない。俺には生きる希望がなかった。見下していた猿にボコられ、憧れていた人は死に、愛してくれる人はいない。今は高専で皆からクズと避けられている。そんなことを考えていると体が動かなくなった。どうやら呪霊に持ち上げられたようだった。


───あ、死ぬわ


覚悟して目を閉じると誰かの声が聞こえた。


「まったく、直哉弱すぎ」


呪霊がフッと消えた。声の主は悟くんだった。俺がポカンとしていると3人分の俺を呼ぶ声が聞こえた。


「「「直哉さん!」」」


虎杖くんと恵くんと野薔薇ちゃんが駆け寄ってきた。


「直哉さん大丈夫!?」


「伊地知さんから危なくなったら逃げろと言われてたでしょうに…!」


「無理しすぎは良くないわよ」


「お…こと…、たすけ…のに」


「おれの…こと、たすけんで…ええ、のに」


「何言ってるんですか!ほら、家入さんのところ行きますよ…、って軽ッ!?」


恵くんが俺を持ちあげる。なに軽々しく持ち上げてんねん。俺成人男性やぞ。


「え?マジで?伏黒ちょっと貸して…軽ッ!!!直哉さんちゃんと食べてる!?」


虎杖くんが心配そうに覗き込むので「朝は…ちゃんと食べて、るで?」と言うと「朝だけ!?」と反応される。俺そんな変な事言うたやろか?


「とにかく硝子のとこ早くいこっか」


悟くんは冷めきった顔で言う。その後俺をちらっと見てチッと舌打ちする。……ごめんな。


高専でまた直哉さんを見かけた。今度はグラウンドで五条先生と手合わせをしていた。とは言っても直哉さんが一方的にボコボコにされているので手合わせとは見えなかったが。その様子を先輩達が心配そうに見ていた。

しばらく見ていると動けなくなった直哉さんを五条先生が蹴っているので止めに行った。


「五条先生!!ストップ!!」


「あれ?悠仁。どしたの」


「直哉さん動けなくなってるじゃん!そこから一方的に痛めつけるのはダメ!」


「あ〜…ごめんね?直哉」


「ケホッ、別にええけど…」


「なんにも良くないからね!?」


俺らが話している間に先輩達も来た。狗巻先輩は「高菜?」と聞いてパンダ先輩は「大丈夫か直哉」と言っている一方で真希先輩は心配はしているのだろうが直哉さんを見て笑っている。


「と、とりあえず俺、硝子さんとこ連れてくね!」


俺は直哉さんを抱えて走り出す。その様子を驚いたような顔で先輩達と五条先生が見ていた。





「──さん…直哉…直哉さん!」


誰かが俺を呼んどる。目を開けると虎杖くんやった。


「どうしたん?虎杖くん…俺は大丈夫やから気にせんといて」


「なあ直哉さん、なんで直哉さんは自分のこと大切にしないの?」


「だってもう全部どうでもええんやもん。甚爾くんはおらんくなってしもうたし、皆からは嫌われとるし…当主も関係ないしな!…愛してくれる人もおら──」


「なら、俺が直哉さんを愛すよ」


その言葉に思わず息を止めてしまった。俺を?虎杖くんのような善人が?…愛してくれるん?


「ッ……、ほんま?」


俺の目からは涙が溢れ出す。


「うん、ホントだよ。だから、自分を大切にして」


─────愛すから。

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コメント

1

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良いお話や、、、

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