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予想外の展開に驚き、反射的に身体を起こす。
心臓が激しく脈を打っていく。
(どうしよ…繋がったのはいいけど何を話せば…)
伝えたいことは沢山あったはずだった。しかし、さっきの衝撃で全部真っ白になってしまった。
考えがうまくまとまらず、声が出ない。
『美里亜…?』
(…いっか。今の私でいこう。)
正直、上手に言える自信はないけど、再び話せただけで充分。
姫菜の一声が、私の声の引き金になった。
「あ…もし…もし。姫菜…。まずは電話に…出てくれて…ありがと…。」
ドキドキする胸を抑えながらぎこちなく話す。
ほんの数日しかたってないのに、すごく久しぶりに話したような気がする。
『…ん。』
短い答えに不安が煽られる。だけど切る様子はなかったのでそのまま続けた。
「どうしても…姫菜と話がしたかった。今から、話す私の気持ち…何も言わないで聞いて。」
『………』
受話器越しに、息を呑む気配がする。
私は、小さく深呼吸をし、一気に吐き出した。
「私…援交をやめたことは後悔してないし、再びやるつもりは一切ないよ。それが私の選んだ道だから。姫菜と一緒に闇に堕ちてあげることはできない。」
『………』
きっぱりと、迷わずに言い切る。厳しいかもしれないが、これでいいんだ。
返答は相変わらずない。もしかしたら切られるかもしれないが、それでもよかった。
大きな賭けだった。
最後まで聞いてくれるか。
私は、一呼吸置くと、「だけど…」と繋げた。
「姫菜と一緒に、光へ向かって歩くことはできる。馬鹿にしたりなんかしてないよ。私はこれからも姫菜と繋がっていたい。援交仲間じゃない関係で。」
『っ…』