「あの……ごめんなさい!」
昼休み終了間際になり、小春のクラスへやってきた沙耶架が勢いよく頭を下げた。
彼女は朝早く登校して教室の前に待機しており、そこで偶然にもクラスメイト達と話をしていた小春を見かけたのだという。
「えっと、なんの話ですか?」
「こっちの都合で呼び出したりして本当に申し訳ないんだけど……お願い! どうか話を聞かせて欲しいの!」
突然の展開にポカンとしている沙耶架の前で、小春は自分の決意を語るかのように熱く語っていた。
もちろん当人である彼女は真剣そのものなのだが、聞いている方は何を言っているんだコイツ状態になっていることには気づいていない。
「……あのさ、よく分かんないんだけど?」
話を聞き終えた沙耶架の反応は実に素直なもので、まさに疑問符だらけといった感じであった。
そりゃそうだよね。急に目の前の少女が何やら語り始めたと思ったら、自分はこういう奴だって宣言されただけにしか聞こえないものね。
だけど僕は決めたよ。
君を幸せにしてみせるとね――
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