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さめ
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めーし
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めろん
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#ヘタリア二次創作
冬将軍@春待ちを添えて
229
Prolog
病室に新たな訪問者がやってくる。
「すまんっ、遅れた。」
息を荒くし、滅多に取り乱さない彼が美しく仕立て上げられたスーツに皺を作っていた。
「おや、サー。来てくださったのですね。」
病室のベッドに横たわる老紳士は命を終えようとしている体を無理矢理起きあげた。
「来ないわけないだろ。って、寝てていいぞ。」
訪問者は老紳士の祖国であるイギリスの化身、 アーサー・カークランドだった。
そして、老紳士はアーサーの元で以前まで執事として働いていたのだ。
「すみません、サーには迷惑をかけました。」
「なんの事だか。」
アーサーは自分の上着を畳んでベッドの横に腰掛けた。
「本当は時が狂っても貴方のおそばに居るつもりでした。戦争で妻も子も亡くし、生きる意味を失った、私の命を捧げようと。」
「それは嬉しい告白だな。」
アーサーは翠の瞳を細めて、少し口角を上げた。
「しかし、それは私のわがままで叶わなかった。」
老紳士は元主を見つめて優しく微笑む。
「私が貴方の執事を辞めたのはある少女と出会ったからなんです。東の国から売られてきた子でした。サーのお使いに行った際に出会ったのです。 」
ゆっくりと紡がれる言葉を一言も逃すまいと聞いていた。
「サー、あの子を貴方の元で働かせてあげてください。」
「はぁ?俺にレディーを仕えさせてどうする気なんだ。」
アーサーは少しだけ眉を寄せて答えた。
「貴方は寂しがり屋です。私がいなかった時間、サーからしたら一瞬かもしれませんが心配で仕方なかったんです。一人で寂しくしてはいないか、弟さんやお兄さん達と揉めて泣いてはいないか、体調は大丈夫か、ご飯は食べているか、ちゃんと眠れているのか、と。」
息を吹いたら消えてしまいそうな炎のようなか細い声、だが何処か芯があった。
「あの子も寂しがり屋なんです。どうか、お願いします。私の最後のお願いです。サーには感謝してもしきれません。それなのに最後までお願いばかりで申し訳ないですが。」
彼は長い間アーサーに仕えていた。
普通だったらとっくのとうに老衰していてもおかしくない年齢だ。
それでも生き長らえていたのはやはり、時が少し狂っていたからか。
アーサーはふ、と息を吐くように笑った。
「分かった、お前が言うなら信じるよ。」
「ありがとうございます。最後に、サー。私は貴方の元で働けて幸せでした。」
老紳士は満足そうに微笑んでから、静かに目を閉じた。
アーサーは彼の名前を呼び、額に触れた。
温もりがあったが、その下にあるはずの命の気配は消えていた。
国であるアーサーにとって人の死とは身近である。少し笑って力のない彼の手を握る。
「Me too.May your soul find peace.」
その声に答える声はどこにも無かった。
コメント
1件
ああもう、これ良すぎた……。執事が最後に主人に託した「あの子」の存在がもう刺さる。老紳士がアーサーの寂しがりを知ってるのも、アーサーが「来ないわけないだろ」って駆けつけたのも、全部優しさで詰まってる。最後の“Me too.”で涙腺やばかった。続き絶対読む🔥 (200字ぴったり)