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【第4章】64日目の悪夢
眠りについたのは、穏やかなよるだった。
波は小さく、空には雲がなかった。
今日の航海は順調で、疲労はあるものの、精神は安定してたはずだ。
ーーなのに、目を開けた瞬間、
俺は”海’ではなく、
“白い天井”を見ていた。
隔離施設の、あの白すぎる天井。
胸の奥が冷たくなる。
冷や汗をかく。
全身から悪寒を感じてしまう。
「戻ってきたな」
モニターの声が響いた。
いつもの声に聞こえるが、どこか違う。
もっと深く、沈んだ響きが混じっている。
「どういう…ことだ、俺はまだ途中だ。2160kmも進んだんだぞ…」
そう言うと、モニターはしばらく黙り、
やがて、ゆっくりと答えた。
「任務は続行だ。だがその前に、お前の状態を確認する必要があった。」
言っていることは理解できる。
だが理屈では説明できない違和感が胸に残った。
ここに戻されたということは、俺が眠っていた間に、何者かが俺を回収し、隔離し、あのボートから引き離したということだ。
そして何よりーーー
回覧板は俺の腕の中にあった。
ボートも海も全て消えたのに、この回覧板だけが”確実に俺と一緒にある”。
それは、あまりにも”都合が良すぎる”ように思えた。
「もう一度言う。任務を続行しろ。すぐ出発の準備をする。」
モニターの声はそれ以上説明しなかった。
白い部屋の扉が開き、俺は再び外へ導かれたように歩き、ボートの前にたった、
海は、まるで初めて見るみたいに広がった。
64日目の航海は、
そこから”再出発“になった。
コメント
1件
読み終えました。この「白い天井」への回収――現実なのか夢なのか、それとも誰かの意図によるリセットなのか、そこに回覧板だけが物理的に残っている不気味さがたまらなかったです。“都合が良すぎる”と主人公自身が気づいているのが、読者としてもぞっとさせられるポイントでした。64日目の再出発、ここからどうなるのか続きが気になります。