テラーノベル
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よつば ஐ
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コメント
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うわあ、この章の静けさがすごく刺さりました。波の音が弱い、風の音が薄いっていう表現、孤独がじわじわと日常の感覚を奪っていく感じがリアルで…。回覧板を抱きしめる仕草も、何か大切なものがあるからこそ前に進めるっていう強さが伝わってきて、グッときました。視線の気配、あるあるだなあと思います。孤独が一番の敵、っていうテーマも深いです。続きが気になります!
【第五章】再出発(65〜120)
再出発当日、俺は自分でも驚くほど冷静だった。
怒りも不安もあったが、それ以上に”使命感”が勝っていた。
世界を救うため…?
隔離施設の命令だから…?
それとも、俺自身が「進まなければならない」と、思ってしまったのか?
自分の気持ちが分からなくなっていた。
だが漕ぐ。
ただ、漕ぐ。
前へ進めば、何かが見える気がした。
再出発して数日、海は以前に比べ、どこかが”音がなかった”。
波はあるのに、波の音が弱い。
風があるのに、風の音が薄い。
まるで、海が俺の航海を”見守っている“ような気さえした。
65〜80日目あたり、食料と水は問題なく確保できていたが、精神は徐々に擦り減り、ボートの上で”誰かの視線”を感じることが増えた。
振り返っても誰もいない。
海しかない。
ただ確かに、背中をじっと見ている気配があった。
しかし振り返っても、やはり何もなかった。
心のどこかではこう思った。
ーーー真に危険なのは、ゾンビでも海でもなく、この”孤独”なのではないか。
孤独は人間を壊す。
ゆっくり、確実に。
それでも俺は漕ぐ。
回覧板を抱えるようにして、まるで”誰かから守る”みたいに腕で抱きしめながら。