テラーノベル
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大森のマンションを後にして数十分。
若井、藤澤は、
先程戸締りも忘れて飛び出した 事務所に
戻ってきた。
扉を開けた先では、もう既にマネージャーや
スタッフ達がバタバタと
動き回っていた。
「あ、若井さん!藤澤さん!
今から病院行かれますよね?
マネージャーさん呼びますね」
と、すぐ近くを通りかかったスタッフが
2人の存在に気がついた。
「「ありがとうございます。」」
ふたりは口を揃えてお礼をする。
「あの、お水どうぞ」
そうしていると別のスタッフから
ペットボトルの天然水を差し出された。
(ここにいるスタッフさんはみんな
気が利く人ばかりだなぁ、)
藤澤は
そんなことを今更再確認しながら
もう一度お礼の言葉を述べた。
「ごめん遅くなった。病院行こっか」
そうこうしているうちに、
マネージャーがふたりの元へやってきた。
「ごめんね。今忙しいのに…」
藤澤はそう謝りながら眉を下げる。
いつも優しげで柔らかい印象を与える
タレ目がさらにふにゃりと細められた。
「全然いいって。元貴が一番!
そうでしょ?」
車へと足を進めながら、
マネージャーは明るく続けた。
そうしないと平静を保っていられないのだ。
それを示す答えのように、
3人の顔はこれ以上ないほどに曇っていた。
車に乗りこみ、
エンジンをかけると
車がゆっくりと発進した。
窓から見える東京の景色が右から左へと
流れていく。
ふと、バックミラーで運転席から
後部座席の様子を覗いてみると
重苦しい雰囲気が流れていた。
特に若井は先程から一言も喋っていない。
藤澤も普段からは想像がつかないような
負のオーラを纏っていた。
まあ、無理もないだろう。
10年以上を共に過ごしてきた
大切なメンバーが火事に巻き込まれたのだ。
しかもかなり大規模な火事だった
ようだし。
まあ、俺は現場行ってないから
わかんないけど。
空気を明るくするのは半ば諦めながらも
さすがにこのままではさらに気が滅入る
だろうと思い、
軽く流せる話題を探す。
「あ、夜ご飯もう食べた?
後で買ってこようか?」
毎日交わすような、他愛も無いもの。
でも、いくら待っても返答は
返ってこなかった。
しばらく続いた沈黙の後、
「ううん、大丈夫。」
藤澤が何とか絞り出した掠れた声で
断りを入れただけだった。
コメント
5件

続きめっちゃ気になります! この後どうなるかドキドキで毎日更新されてるか見てるくらいこのお話大好きです!
面白くて一気読みしちゃった 若井より涼ちゃんの方が心にきてそう
読んだよー!😭💦 第9話、めちゃくちゃ重い空気がびしばし伝わってきた… 若井くんが一言も喋らないの、逆に心配になるし、藤澤くんの掠れた「大丈夫」も普段の優しい声を知ってるだけに切なすぎるよ…🥺 スタッフさんたちの気配りの描写が丁寧で、それだけに余計に沈んだ雰囲気が際立ってた! マネージャーさんが明るくしようとしてるのに返事がないシーン、こっちまで息が詰まりそうだった。 次は病院だよね…どうかみんな無事でいてほしい😭💕 はるんさんの作品、毎回感情に刺さるからほんとずるい!笑
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KOI
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#ごほんにんには関係ありません
ナムリン
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