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一
ピピピッピピピッ、と、耳障りな目覚ましの音で目が覚めた。
毎朝目覚めのルーティーンは、直ぐには起きれないからスマホを眺めること。夜中までいじっていた暗いスマホの画面を明るくして、SNSを閲覧する。毎度恒例、フォロワー二桁台の無意味な就寝報告のインプを流しで確認し、今日も“一件のコメント”を見つけた。『おやすみなさい』、というコメントを。
「…………またコメントしてくれてる………………」
――――なんて物好きな人だ、と思いながら返しのコメントを打った。画面に映った顔の口角がほんの少し上がっていたのは気にしない。
――この過程を経ることで僕はいつも朝を実感している。無意味で堕落的で、でも少しの喜びを感じれるこの過程を。
……………………。
「そろそろ起きるか」
気だるい身体に鞭打って起こして背伸びをする。
朝ごはんは食べない派なので、直ぐに着替えてカバンの中身を確認した。途中、自室の姿見に映ったカバンのキャラキーホルダー――――――パンダのパンちゃんに目を奪われるけど、それもそこそこに僕は部屋を出た。
下の階に降りると、そこは静寂。両親は共働きでもういない。妹は中学校だがまだ寝てる時間だ。
僕は洗面所に向かい顔を洗って髪を梳かして、諸々の準備をする。
その後キッチンに行き、昨日の夜にほとんどの備えを終えていた妹の弁当の最終調整にかかった。
白いご飯にタコさんウインナー、野菜嫌いな妹のために、食べやすいように根菜類を多めに入れた煮込みハンバーグ、彩りのために青菜を入れた弁当だ。
それを、『青菜は残してもいいけど食べれるなら食べてね』と言う手紙を上に乗っけて包む。
――――我ながらいい兄ムーブだ、なんて考えながら弁当を近くのダイニングテーブルに置いた。
「よし。これで準備はいいか」
時計を確認。時刻は午前八時十分。今から歩いて行けば丁度いい時間帯だ。
僕は憂鬱ながら玄関まで行ってドアを開けた。
――――――――――さて、今日も一日が始まる。