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すんごい病んでます
「溺れてるのは自分の心」
部屋のカーテンは閉めきったままで、何日経ったかなんて覚えていない。
時計も外も、誰かの声も、いまの自分には全部、無関係なものだ。
ここにあるのは、呼吸と、それすら重たく感じる身体と、繰り返す思考だけ。
「死にたいわけじゃない。生きていたいわけでもない」
それを言葉にするたびに、誰もが困ったような顔をする。
だったらどっちなんだよって、眉間にしわ寄せて、
「ちゃんとしなよ」って、
「がんばってる人だっているんだよ」って。
知ってる。わかってる。
でも、わたしは、ちゃんとできないんだ。
息をするだけで精一杯なのに、
それでも生きてることにされてしまうこの現実が、たまらなく重い。
朝起きて顔を洗って、ちゃんとした服を着て、他人と会話して、
それだけで眩暈がするほどに、心が崩れていく。
ほんの小さな言葉で、涙が出そうになる。
優しくされても、突き放されても、結局は同じ。
わたしは「誰かの何か」にはなれない人間だ。
SNSで「病んでる」って言ったら、
「そんなの甘えだよ」「ちゃんとしなよ」ってコメントがついた。
わかってる。わかってるんだよ。
でもそれを言う人たちは、わたしじゃない。
この頭のなかを覗いたこともないくせに、
「病んでるフリ」なんて言葉を投げつける。
フリなんかじゃない。
わたしは本当に、もう限界なんだ。
朝、目が覚めた瞬間から後悔してる。
「あ、また今日も、生きちゃったな」って。
「消えたい」っていうのは、別に誰かに構ってほしいからじゃない。
ほんとうに、消えてしまいたいと思ってる。
この世界から。
この部屋から。
この身体から。
誰かが言った。
「自分を好きにならないと、他人からも好かれないよ」
…そんなの、わたしには無理だ。
鏡を見るのもいやになる。
笑ってみても、ひどく歪んでいて、気持ち悪い。
肌も髪も、声も全部、自分のものじゃないみたいで。
どこをどうしたら、この「わたし」が「誰かに愛されるもの」になるの?
ずっと考えてきたけど、答えなんて、出なかった。
眠れない夜が続くと、頭の中の音がどんどん大きくなる。
「お前なんていなくてもいい」「誰もお前なんか気にしてない」
そんな声が反響して、心臓の鼓動すら不快になる。
布団の中で膝を抱えて、耳を塞いでも無駄。
頭の中の声から逃げる方法なんて、どこにもない。
リスカすれば楽になるかもしれない。
でも、傷を見られたら「またやってんの?」って言われるから。
だから今は、見えないところを爪で掻いてる。
肌が赤くなって、ちょっと血が滲むくらい。
誰にもバレないように、自分で自分を壊す。
「頑張ってるよね」って、言われたことがある。
笑っちゃう。
だって、頑張ってなんかないのに。
朝起きるだけで、ベッドから出るだけで、
精一杯なのに。
それを「頑張ってる」って言うなら、
生きてる全員が毎日ヒーローだよ。
わたしは、ただ、
死ねなかっただけ。
生きようともしなかったけど、
死ぬ勇気もなかった。
ただそれだけで、明日が来てしまう。
誰か、助けてって言いたい。
でも、どうやって?
何をどうすれば、誰かが本当に気づいてくれるの?
大丈夫?って聞かれて「大丈夫じゃない」と言ったら、
その後の空気が重くなるから、言えない。
「大丈夫」って言わないと、
人はすぐ離れていくって知ってるから。
だから笑う。
作り笑いでもいいから。
「元気そうだね」って言われるたびに、心はちょっとずつ死んでいくけど。
それでも、誰も心配させないでいられるなら、
それが一番楽な選択なんだ。
もしもこの世界に「消えるボタン」があったら、
迷わず押すと思う。
誰かに見つかる前に、そっと。
音もなく、跡形もなく、
この世界からいなくなりたい。
でもそんなボタンはないから、
わたしは今日も、息をしてる。
誰にも気づかれずに。
誰にも求められずに。
ただひっそりと、
「死にたい」と「生きたくない」のあいだで、
静かに、静かに溺れている。
気づいたら、ここにいた。
白い天井、無機質な照明、薄いカーテン。
この病室の匂いにも、金属の味にも慣れた。
もう何日目だったっけ。
たぶん、十日以上は経ってるはず。
でも、カレンダーは見ない。
知ったところで、何かが変わるわけじゃない。
病気は、突然だった。
身体が重いなって思ってたら、
熱が出て、呼吸が浅くなって、
倒れて、運ばれて、
点滴に繋がれた。
「今はとにかく、安静にね」
看護師さんの優しい声が遠くに響く。
でも、それすらもノイズだった。
身体よりも先に、心が壊れてたから。
ベッドの上は、何もすることがない。
スマホを見ても、楽しいものはどこにもないし、
小説を開いても文字が頭に入ってこない。
天井を見てるのが、一番落ち着く。
この白い四角だけは、わたしのことを責めてこないから。
「治っても、生きたいわけじゃないんだよな……」
ポツリとつぶやくと、誰もいない部屋の空気が重くなる。
病気は治るかもしれない。
でも、心の病は、どこまでいっても完治しない。
誰にも見えない場所で、ずっと膿んでる。
抗生物質も、安定剤も届かないところ。
「良くなってきたね」「もう少しだよ」
医者は笑ってそう言うけど、
わたしはそれを聞くたびに、なぜか苦しくなる。
「もう少しで社会に戻れるね」
「元の生活に戻れるよ」
――戻りたくない。
戻ったって、また同じ。
あの窓のない心の牢屋に閉じこめられるだけだ。
見舞いは誰も来ない。
連絡もない。
そりゃそうだよね。
こんなわたしに、心配する価値なんてないもん。
SNSは鍵垢にしたまま。
未読メッセージもない。
それを確認するたび、どこかで「ホッとしてる自分」がいて、
それすらも自己嫌悪の材料になる。
こんなふうに、「誰にも必要とされていない」って実感しながら、
それでも「誰かに見つけてほしい」と願ってる自分が、
いちばん嫌い。
夜になると、点滴の音がうるさいくらいに響く。
コン…コン…って、空気と薬が入ってくる。
生きるために体内に入ってくるそれが、
ときどき、毒みたいに感じる。
「どうして助けるの?」って、
医者に聞いてみたくなるときがある。
本音で言えば、もう手を離してほしい。
このまま眠って、そのまま目を覚まさないほうが、
ずっと楽だから。
でも、医者は命を助けるのが仕事で、
わたしの絶望なんて、データの一部にすぎない。
診察記録の数字のほうが、ずっと重要なんだ。
この病室には窓がある。
でも、窓の外には何もない。
遠くにぼんやりと街が見えるけど、
そこに自分の居場所はないって、知ってる。
入院してる間に何かが変わるかも、なんて
期待してた時期もあった。
でも、変わらなかった。
誰もいないし、何も届かない。
今日も白い天井だけが、わたしを見下ろしてる。
「せめて、夢の中では自由になりたい」
そう思って眠っても、
見るのはいつも、
真っ暗な闇か、
誰かに責められる夢ばかり。
このまま死んでも、
たぶん誰も気づかない。
看護師さんが点滴を替えに来たとき、
ようやく「……あれ?」って首をかしげる程度。
でも、それでいいって思ってる。
少なくとも、誰にも迷惑をかけずに終われるなら、
それがいちばん静かでいい。
心が先に死んで、
次に身体が追いついて、
最後に、名前が忘れられていく。
それが、わたしの人生だった。
誰にも気づかれずに、
誰にも望まれずに、
静かにフェードアウトするだけ。
でもね、
たった一人でいいから、
「おかえり」って言ってくれる人がいたら、
――わたし、きっと、
生きたかったんだろうな。
コメント
22件
共感されたくなかったらごめんね、 わかるなぁ、、生きたくないけど死にたいわけでもない。死にたいって心は言ってるのに体は言うこと聞いてくれないんだもの、 もう私凛音ちゃんみたいに辛い人達にもう少しがんばれなんて言えないよ、、、体の病気は気付いてくれるのに心は気付いてくれないんだもんね、すんごい不細工な言葉になっちゃうけど、自分を追い詰めないで、疲れたらここにきて、?私らいつも待ってるから、!!
生きたくないのに生きてるでもしぬのが怖いから私はまだ生きてる しにたいと生きたいの狭間にいるんだよね マジで人生疲れた でも凛音ちゃんの方が疲れてるよね 病気っていう重荷がついてるから 今は消しちゃったけど病み投稿で しねとか大げさなことより小さなこと言われた方が傷つくって書いたの覚えてる、? 別に覚えてなくてもいいんだけど 頑張れとか大丈夫って言葉が辛い、心が逆に折れる 多分そんな感じだと思う
死にたくも行きたくも無い気持ち、分かるよ? でもさ、1回生きてみたらもっと生きたいっていう気持ちになれるかもしれないからもう少しだけ、頑張ってみよ? 無理に笑わなくてもいいし、周りに迷惑かけてもいい、死にたいって思ってもいい、ただ死ななかったら犯罪とか以外は何してもいい。 ちゃんと生きてたらおかえりって言って迎えてあげるからね? あともう少しだけ頑張ってみよ ごめんね、文字見るの疲れたよね、