【ぷりっつ視点】
…可愛い
最近、忙しくて二人の時間を取れなかったせいか
ぼーっと莉犬くんの顔を見つめる
前と何も変わらないのは理解しつつも
何だか前よりキラキラして見える
…可愛い
こういうのを語彙力喪失と言うのだろうか
俺の視線の先にいる君はノートと教科書を広げ
シャーペンを回しつつ
それらと睨めっこしている
テスト期間だから、と言って勉強を始めていた
そういう真面目なところも好きだな、と思う
けれども俺は今構ってほしい
…つまりは勉強に嫉妬しているのだ
机にひじをつき、そんな真剣な横顔を見つめる
すると
ふと鏡に写った
唇を尖らせ頬を膨らましている
そんな自 分が目に入る
それを認識した途端、ぶわっと顔が熱くなるのを感じた
…恥ずかしい
莉犬くんがしたら可愛いだろうが
自分のそんな顔を見たいわけが無い
恥ずかしくなって顔を伏せて唸っていると
頭上から声が聞こえる
可愛くて綺麗な声で
「どうしたの〜?」
と優しく尋ねる 君
あー…可愛い…
「勉強ばっかしてるから暇なんですぅ」
と顔を背けて拗ねたように言う
すると慌てたような呆れたような
それでも甘い、そんな声で
「ごめんね〜?でも勉強はしないとね」
とくすりくすりと笑いながら
優しく頭を撫でてくれる
「でもー…」
とぐだぐだ言っていると
苦笑しつつも優しく撫で続けてくれる
最近忙しくて顔も見れてないし声も聞けてなかったから…
そう愚痴ってみると
優しく甘く声をかけながら撫でられる
少し照れつつも嬉しくなって
抱きついて
そのまま床に倒れ込む
すっぽりと腕に収まるようなサイズ感に
庇護欲と加虐心がせめぎ合うのを感じつつも
愛しいなぁと頭を撫でる
愛しい耳としっぽが
パタパタと 動くのを感じ
にやにやしながら声を交わす
気持ちいい声
心の波が静かになって
そのまま深い眠りに落ちる
腕の中から
「起きて〜っ」「勉強しないと!」
と困ったような、可愛い声が耳に入るのに気付きつつ
聞こえないふりして
抱きしめながら眠りについた







