声

久しぶりに渡辺と一緒に向井が目黒の家にやって来た。晩ご飯を作ってくれるそうだ。

阿部も来ている。

4人分は大変かと向井が手伝う。

目黒ー康二、もう大丈夫。

向井ーほな、俺も座って待っとる。

目黒ーん。

4人で食べれば楽しいし向井が面白い話をしてくれて、皆んな笑う。

向井が目黒と渡辺の海の写真を見たがった。

阿部は、ちょっと寂しい顔をする。

向井ーありがと。

目黒ー何かあるの？

向井ー阿部ちゃんのも。

目黒ーん、持って来る。

しばらく向井は２つのアルバムを見ていた。

顔をあげて「やっぱり」と言う。

目黒ー何が？

向井ー阿部ちゃんを見る目が、翔太くんを見る目と違う。

目黒ーどう違う？

向井ー翔太くんは可愛いなぁとか綺麗やなぁと見てる。

目黒ー亮平くんは？

向井ー愛しいなぁ、大事やなぁて見てる。

渡辺ー当たり前だ。

向井ー阿部ちゃん、安心し。めめはいつもそんな風に阿部ちゃんを見とるから。

阿部ーめめ。

目黒ー当たり前。

渡辺ーカメラマンが俺より後から気が付くなんて。

向井ーごめんやで。

目黒ー何見てそれに気が付いた？

向井ー翔太くんが自撮りしてて、俺が翔太くんを見てる写真があって、その俺の目がそう言うとる。

渡辺ーこの間の？

向井ーん、あの時の。

目黒ー2人で出かけたの？

渡辺ーちょっとな。

阿部は嬉しそうな顔をしている。

目黒に愛されてる。

写真にそれが写ってる。

阿部ー康二、ありがと。

向井ー俺もありがとうや。

渡辺ー目黒、コーヒー。

目黒ーん。

渡辺の言ったことがよく分かった。

向井は静かに落ち着いた話し方をする。優しい声で話す。

目黒が渡辺を見ると、渡辺はピースする。

新たな向井の一面を見て聞いて、目黒は渡辺にお似合いだと思った。

完