コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「いらっしゃいませ…アッ葉矢ちゃん!」「こんにちわ。就職サイト見てたんだけど、クサクサするから来ちゃた。」「そうなんだ。まあゆっくり見てってよ。」朱未のアクセサリーショップは六畳ほどだが、マンションの一階に有り、大通りに面している。チープな普段使いのアクセサリーから、高級なネックレス迄、色々あった。「これ全部自分で作ったの?」「そう。独りで過しているほうが、色んなデザインが浮かんで来るんだ。」「だったら夜だけのバイトはうってつけだね。」「そう。あんまり毎日どっぷり浸かると、あの店は疲れそう。」「でもあたしなんか、始めからママにお客様には付かなくて良いって言われたし、朱未さんは接客上手いんじゃ無い?」「離婚してるからよ。ママは足元見て言ってる。」良仔は何も言えなかったが、誕生石の指輪のコーナーを見た。平均五千円位で銀細工だった。これなら自分も手が出そうである。「あたし1月生まれ何だけどガーネット有るんだね。あんまり置いてるお店って無くってさ。」「あっそうなんだ。」朱未は3種類位出した。「調節やネームは直ぐ出来るから。」一番シンプルな、石だけはめ込んで有るものが気に入った。朱未は裏で、Yoshiko と指輪の裏側にネームを入れてくれた。3500円。小さなケースに入れようとしたが、良仔は付けて行きたいと言った。「ママって7月生まれ?」「あたしもそう思った。この間のルビーのイヤリングでしょう!」二人はニヤりと笑った。