私
利私欲、独善、傲慢、慢心、高飛車、強情、わがまま、エゴイスト、ナルシスト、マイペース、無責任、横着者、意地悪、ひねくれている、陰険、小悪党、根性曲がり、偏狭、頑固、素直じゃない、嘘つき、人をだます、悪人面、愛想がない、つまらない人間、冷たい、残酷、残忍、冷酷、非道、薄情、腹黒い、執念深い、しつこい、粘着質、ネチネチしてる、陰湿、恩知らず、無礼者、臆病、腰抜け、卑怯者、意気地なし、口先だけの男、約束を破る、裏切り行為、二枚舌を使う、ズル賢い、要領が良い、ずるっこい、姑息、不誠実、軽率、短絡的、短気、バカ正直、マヌケ、頭が悪い、愚かしい、阿呆、間抜け、能天気、鈍感、考え無し、優柔不断、八方美人、厚顔無恥、天真爛漫、無知蒙昧、馬鹿丸出し、愚劣極まりない、無分別、未熟、無謀、浅慮、軽率さの表れである。
失敗……
失望……
落胆……
自暴自棄……
希望を失った者の行き着く先は一つしかない。
何もかも嫌になった男は死を望むようになった。
自分が生きている意味がわからなかったのだ。
だがある日、自殺に失敗した彼は思い直すことになる。
生にしがみつく理由はないが死ぬ理由もない。
ならば生きてみるのもいいだろうと考えたのだ。
それから数十年後……とある国のある街で奇妙な現象が起きるようになる。街中に突如植物が出現し始めたのだ。最初は小さな公園の木程度だったが、徐々に成長していき、ついには家々を押し潰してしまうほどにまで成長した。
この事態を受けて政府は原因の調査に乗り出した。専門家たちは様々な仮説を立てたものの、どれも決め手に欠けたものばかりだった。そんな中、一人の科学者がある提案をする。「魔法が存在すると仮定してみてはどうか?」と。
しかし誰も取り合わなかった。科学の力を信じて疑わない人々にとって、魔法の存在はオカルトと同義だったからだ。それに仮に魔法が存在したとしても、発生源を突き止めれば科学の力で封じることができるはずだと考えていた。
しかしある日突然、世界中のあらゆる場所で、不思議な現象が起こり始めた。
空から植物が落ちてきたり、海が枯れたり、火山が爆発したり、地割れが起きたり……人々は慌てふためき混乱したが、やがてそれが災害ではなく人為的なものだと知ると、今度は大きな騒ぎになった。
なぜこんなことをする? 目的はなんなのだ!? 科学者たちはその原因を探るべく奔走するが、犯人を捕まえることはおろか、足跡すらつかめなかった。
この謎の病気が蔓延し始めた頃、ある男がこう言ったそうだ。
『まるで魔女の仕業みたいだ』
しかし、その言葉を聞いた者は誰もいなかった。
なぜならば……。
「わたくしが魔女ですから♪」
そう言って笑った女の顔を見たものは一人残らず消えてしまったからだ。
彼女が魔女と呼ばれ始めたのはそれからすぐのことだった。
彼女は自分のことを話したがらない。彼女について知っていることといえば、「自分が人狼であることを隠して生きている」「人間を食べているわけではない」「自分は吸血鬼ではない」ということくらいだ。彼女がどういう素性なのか、どんな人生を歩んできたのかなんて知らない。ただひとつわかることがあるとすれば、彼女は僕にとって特別な存在だということだけだ。
彼女の声を聞くだけで僕の心臓は高鳴り、体温が上昇していく。彼女と目が合ったときなんかはもう駄目だった。全身が火照り、呼吸が荒くなり、頭が真っ白になる。まるで恋をしているみたいじゃないか――そう思うこともあるが、これは違うと僕は知っている。この感覚には覚えがあるのだ。僕がまだ小学生の頃、同級生から虐められていた時のことを思い出す。クラスの中でも一番背が小さくて弱かった僕は格好の標的となった。毎日のように殴られたり蹴られたりしたものだ。
ある日のこと、いつも通り校舎裏へ呼び出されたときのことだった。そこで待っていたクラスメイトたちはなぜか全員で五人いて、そのうちの一人が言った。
『おい、今日はこれを使って遊ぼうぜ』
その言葉とともに取り出されたのは銀色に輝く刃物だった。彼らはそれで僕を傷つけようとしてきたわけだ。今となってはそのいじめっ子たちも高校生になっているはずだけど、当時の僕らはまだ小学生だったのでナイフなんて当然扱ったことはなかった。ただ持っているだけでも危ない代物なのに、それを突きつけるというのは、もう脅しとかそういうレベルじゃない。僕は怖くて震え上がった。泣き出してしまったかもしれない。
僕の目の前には二人の同級生がいた。そのうちの一人が刃物を振り回して僕を脅かしているのだ。もう一人の方は何もせず傍観していたようだけど、これはこれで怖いものがある。
刃物を持っている男子はナイフ使いと呼ばれていた。あだ名みたいなものだ。ナイフ使いはとても乱暴な性格でいつも問題を起こしていたから、ナイフ使いと呼ばれているらしい。僕はそうやってナイフを使っている男子を見るたびに、ナイフじゃなくて刀を使ったらもっと格好良いんじゃないかと思ったりするのだが、やっぱり口に出したことはない。
ある日のこと、友達の一人がナイフ使いのことを悪く言ったのだけれど、そいつはすぐに先生に注意された。僕たちはそのことをとても面白おかしく話していたのだけど、教室に戻ってきたナイフ使いはすごく怒っていたらしくて、次の日から僕らはあまり話しかけられなくなった。僕たちだってナイフ使いが悪いことくらい分かっていたけど、ナイフ使いが怒っていることが面白くて仕方なかっただけだ。本当に悪かったと思っている。
それからしばらく経って、ナイフ使いのことがまた話題になり始めた頃だったと思う。今度は別の奴がナイフ使いの真似をしてナイフを使い始めた。僕はそれがとても可笑しかったんだけど、みんなにとっては違うみたいだ。ナイフを持った男は危険だとかなんとか言っていて、そのうちナイフを持っていても危なくない振りをする遊びが始まった。ナイフを持つ男が危険なのではなくて、ナイフを使う男の方が危険なのだということになってしまったのだ。
ナイフを持った男のふりをしている男は、ナイフを振り回して遊んでいた。それを見たクラスの女の子たちがキャーキャー騒いで楽しそうだ。僕はナイフを眺めてみたけど、やっぱりただの鉄の塊にしか見えない。どうしてこんなものを怖がったり楽しいと思ったりするのだろうか? ナイフを持っている男の子は僕に向かって話しかけてきた。
「おい! お前、今から俺の仲間になれ!」
仲間? なんのことだろう。よくわからないけれど、この子は悪い人ではないと思う。それにしても不思議な子だ。普通、こういう時はもっと怖い顔をしたり、怒ったような表情をするものだと思っていた。
「……わかったよ」
僕がそう答えると、男の子はとても嬉しそうな笑顔になった。とても可愛い笑顔だった。まるで天使みたいだと僕は思った。
それから数日経って、僕の家に強盗が入ったらしい。お父さんとお母さんは殺されてしまったのだと言う。僕には信じられなかった。だってついさっきまで一緒に楽しく話していたはずなのに、もう会えないなんて絶対におかしい
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