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サイエンが仲間に加わりまたいつものように敵船を沈めカイドウたちだったが、財宝を物色しているときアマガサがカイドウに対し話を持ちかけた。
『そういや、カイドウお前能力に頼りすぎちゃいねぇか?』気にしていたのだろうかアマガサはカイドウが少し自分のことを睨んだように見えた。
しかし、アマガサは続けた『お前覇王色は使えるよな?』『あぁ』カイドウは頷く。
一見普通の会話に見えるが覇王色なんてみんなが使えるもんじゃない、(どんな次元の会話だよ)と思いながらサイエンは話を聞いていた。
『じゃ、流桜は使えるか?』アマガサがカイドウに問う。『いや』それを聞いたアマガサは『じゃ、流桜にチャレンジするぞ』と続けた。
『流桜っていうのは覇気をただぶつけるのではなく覇気を流すように攻撃する技だ、見るにお前は覇気だけでも十分強い、なら能力に頼りきらず覇気で相手を制した方が良い、この世界結局は覇気が全てだ』と言いカイドウに流桜を披露した。
カイドウはただ何も言わずそれをじっと見つめていた。
それ以来カイドウは戦闘で流桜に挑戦するようになった。
『そんなに力をこめなくていいカイドウ!』戦闘中度々アマガサはカイドウに流桜のコツを指摘した。
そしてついに、『フンッ』ドカッ『オォー!』アルベルとサイエンから歓声が上がる。
『様になってきたじゃないかカイドウ!』カイドウは流桜をわずか2週間で習得したのである。
『次があるんだろう?』そういい少し気分がいいのかカイドウはアマガサに語りかけた。
『あぁ、今習得した流桜を応用して雷鳴八卦に挑戦しよう』アマガサの特技である雷鳴八卦は流桜を応用した技である。
『雷鳴八卦はさっき流桜で覇気を拳に流したように、その流した覇気をそのまま武器に流すんだ』アマガサは金棒に覇気を流しながらそう言った。
(いや、マジで簡単そうに言うけど鬼畜なんだって)サイエンはそれを見ながら心の中で呟く。
(拳に流した覇気を武器に流す…か)カイドウは流桜をしながら頭の中でイメージする。
(これは流石に厳しいか…)アマガサはカイドウの姿を見てそう思った、しかしそれはたった1週間後破られることになる。
カイドウが雷鳴八卦を練習し始めてから3日。
カイドウは海賊や海軍との戦いの中で雷鳴八卦を使えるように努力していた。
『構えは上出来だカイドウ!』とアマガサが叫ぶ。
しかし、カイドウの表情はあまり良くなかった。
(何かを掴めていない)カイドウは心の中でそう呟く、その時、『死ねぇ!カイドウ!』と敵が一人カイドウに切り掛かってくる。
『雷鳴八卦!』カイドウはそいつを思いきり金棒でぶっ飛ばした。
(力の制御…か)カイドウは立ち止まり少し考えてから敵の方へ走っていった。
カイドウが雷鳴八卦に挑戦し始めてから5日後、すでにカイドウは完璧ではないが雷鳴八卦を使えるようになっていた。
この日カイドウたちはカイドウが海賊団を作ってから6年となり祝杯をあげていた。
『カイドウ!俺たちも今年で6年、総勢800人の海賊団だ!』酒がまわっているのか顔を熱っている状態でアマガサはそう叫んだ。
『ウォロロロォ!そうだな!この調子で行けば四皇の座も見えてくる!』カイドウも酒がまわっているのかこの日はやけに笑顔だった。
『しかし、この船はもう狭いっすねカイドウさん』とアルベルがそれを遮るように言う。
(そりゃそうだ、だいだいウォーターセブンに行くためにどれくらい時間かけてんだよ)サイエンが心の中で呟く。
実際、カイドウ達は好戦的で敵船を見つけたらいつも勝負を挑み航海が進むスピードは異様に遅かった。
(俺ももうオッサンか…)この時点でアマガサはすでに齢40を越えていた、それもあってかカイドウの海賊団の船員の面倒を見る副船長的な存在にもなっている。
そんな中、一発の銃声が響いた。
『敵襲!敵襲〜!』船員が大声で叫ぶ。
アマガサ達全員が武器を構えたその瞬間カイドウが叫ぶ。
『ウォロロロ!俺たちの祝宴は邪魔するやつは許さんぞ!』そう言いカイドウは敵船に飛び込んでいく。
(またいつもの光景か…)とアマガサはそれを眺めていたその瞬間、『雷鳴八卦!』そこには雷鳴八卦を完璧に使いこなすカイドウの姿があった。
(あいつ!酔うと覚醒するのか!?)アマガサは心の中でそう叫ぶ。
(技を教える立場として俺も行かねば!)そう思いアマガサも敵船に飛び込んでいった。
(近くで見るとよりその精度が分かる、この精度、俺と同等いや、それ以上だ!)その時アマガサは確信した。
(コイツならワンピースを…取りに行ける!!)そう思いアマガサは思いっきり船の方にいる仲間に叫んだ。
『お前らもカイドウに続けぇ!』『オォー!』そうしてアルベルを先頭に次々と仲間たちが敵船に飛び込んでいく。
そうして敵船はあっという間に壊滅、祝宴を再開することになった。
『礼を言うぞ、アマガサ』祝宴が始まり少ししてからカイドウはアマガサにそう言った。
『あぁ』とアマガサは笑顔で返す。
それを聞くとカイドウは船頭の方へ歩いていった。
カイドウが船頭に着いたとき、カイドウは突然振り返って叫んだ。
『おい、オメェら!』その声を聞き、船員たちが一斉にカイドウの方を向く。
『アマガサ来い!』カイドウはアマガサを大声で呼んだ。
(なんだ?)と思いアマガサはカイドウ方へ行く。
アマガサがカイドウの元へ来たとき突如カイドウは叫んだ。
『今まで、順調に航海を進めてこれた理由として、1番の功績者は間違いなくコイツだ!よってコイツを今日から正式に副船長とする!異論は!?』船員皆が首を横に振った。
そうして、アマガサはこうしてカイドウの海賊団の副船長となった。
『これからもよろしく頼む』とカイドウはアマガサへ言った。
『何を今さら、俺からもよろしく頼む』そうやって二人は笑顔で手を交わした。
後に副船長アルベル(後にキング)となるため、アマガサは後世ではカイドウの左腕と呼ばれるようになる。
それから2日後、『見ろよアマガサさん!』サイエンがカイドウの方を指さしてそう言った。
『おぉ!』とアマガサが歓声を上げる。そこにいたのは酔っていない状態で雷鳴八卦を完璧に使いこなすカイドウだった。
(モノにしたなカイドウ!)アマガサおよびカイドウの特技、雷鳴八卦は後にカイドウの息子のヤマトにも受け継がれていくことになる。
第3話 完