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『何色の薔薇で染めますか?』〜私の白い薔薇を染めるのは〜
最終話 『決断の花が開く』
夜明け前、自室。
アモン、ラムリ、ラト、ユーハンとのそれぞれの1週間が終わった。今日は4人の気持ちに応える日。誰か1人を選ぶ日。私の本当に心から好きな人を。傍に居たいと思える……恋人を。
そして――。
私は白い薔薇を取る。
『この美しい白い薔薇を渡して……。
染めてくれる人を。今日私が1人選ぶ。』
鳥のさえずりしか聞こえない静かな屋敷で1人思う。
一方その頃――。
キッチン
『……今日だよな。あるじ様があの4人の中から1人選ぶのは。』
『あぁ。そうだ。俺は主様が幸せになれる人を選べばいいと思う。主様が幸せなら…それでいい。』
『そうだよな。主様の幸せが俺達の幸せだよな。』
『ユーハンが選ばれてもそうでなくとも…
ちゃんと受け入れようぜ。』
『あぁ。』
1階執事部屋
『主様が誰を選ぼうと……私はその意志を尊重します。あの4人なら必ず主様をお守りしてくださいますから。』
『そうだね、ベリアン。ラムリ君が選ばれたら一緒に喜んで…もし選ばれなかったら一緒に悲しんであげよう。』
『えぇ。そうですね、ルカスさん。』
庭
『こればっかりは俺達は口出し出来ないな。選ぶのが主様なら尚更だ。俺は主様が幸せなら……それで構わない。』
『うん。俺も同じ気持ちだよ。ハウレス。』
『アモンはわかりやすいからな、すぐに顔に出る。無理に明るく振舞うと思う。』
『ふふ、確かにそうだね。その時は励まそうよ、俺達で。』
『あぁ。』
廊下
『おや、ムー君。お散歩ですか?ソワソワしていますね。』
『は、はい。だって今日は主様が……』
『そうでしたね……。ふふ、ムー君が心配せずとも大丈夫ですよ。』
『そうですよね…主様ですもんね、ちゃんと選ぶと思います…!』
『えぇ。』
ドレスルーム
『おや、フルーレ君。朝早くからどうしたんだい?』
『あ、えっと……』
『ふふ、フルーレ君も緊張してるのかな?』
『もってことは、ミヤジ先生も…』
『あぁ。私も年甲斐もなく緊張しちゃってね。』
『あはは…俺もです。自分の事じゃないのに変に緊張して、洋服でも作って気分を紛らわせようとしたんですけどね……。』
『大丈夫だよ。フルーレ君。私も同じだ。主様が誰を選ぶかは分からないが……。その時は私達が励まそう。』
『ミヤジ先生…。はい…!』
裏山
『ここにも落ち着かねぇ奴がいたか。』
『お、ボスキ。お前も鍛錬か?』
『好き好んで自分で鍛錬するわけねぇだろ。ハナマルこそどうしたよ。いつもの時間なら寝てんだろ。』
『そうだな。でも今日は寝るに寝つけねぇんだよ。ユーハンが頑張ってたの知ってるからこそな…』
『お前も同じか。まぁ、アモンもアモンなりに頑張ってたんだ。あとは主様次第だな…。』
『あれ、ハナマルさんにボスキさん。2人も鍛錬ですか?』
『テディちゃん、おはよ。テディちゃんも寝付けなくてきたの?』
『あはは、実はそうなんですよね…だから身体を動かしに来ました!付き合ってください!2人とも!』
『『……。』』
別邸2階
『シロはどう思う?主様は誰を選ぶのかな?』
『…ふん、さぁな。誰を選ぶかはあやつ次第。我らが決めることではない。』
『そーだけどさぁ…気にならない?』
『はぁ……。我はあやつの決めたルールのことは知らないが、あの4人は努力していたと思うぞ。』
『シロ…。ふふ、最初からそういえばいいのに☆』
『ふん。』
自室
私は身支度をし、服装を整え、白い薔薇を包む。
そして、4枚の手紙を用意する。
『……よし。』
私は4枚の手紙と白い薔薇を抱え部屋を出る。
『ムーちゃん。これはアモンに、これはラムリに、これはラトに。これはユーハンに渡してくれる?』
『主様…決めたんですね。』
『…うん。沢山悩んで…考えて決めたの。
よろしくね、ムーちゃん。』
私はムーちゃんの頭を撫でてエントランスへ向かう。
『主様、どちらへ…。』
『……この白い薔薇を私の好きな人に捧げに。』
『…!かしこまりました。どうかお気を付けて。主様。』
私は主様に頭を下げる。
『これを主様が俺に?』
『僕に手紙を?主様が…』
『これを私にですか…。』
『主様からの手紙ですか?』
手紙を開く。
『――へ
私の想いは固まりました。
約束の場所へ来て欲しい。
――より。』
次回
アモン編『貴方の棘も受け入れて』