紳士失格

13話　体を重ねるわけ

　小林は意表をつかれたような顔をした。

　だけどすぐ「わかりました」と頷き、それから心配そうに尋ねる。

「でも、もしなにかトラブルでしたら、すぐ打ち合わせの調整に入りますが……」

「いや……そういうわけじゃないから」

　本当は話なんてない。

　しいて言えば、小林が大好きな矢島にイラついて、張り合っただけのこと。

「そうですか。それなら仕事が終わり次第連絡しますので、都築さんが先に終わったらご連絡ください」

「あぁ」

　小林はほんの少し微笑み、エレベーターへと歩き出す。

　あぁ……イラつく。

　矢島も、矢島に気を持たせる小林もだ。

　それから数時間後。終業時刻を少し過ぎた時、小林から社内メールが届いた。

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システム部　都築様

お疲れ様です。

そろそろ仕事を終えるつもりですが、都築さんのほうはどうですか。

もう少し残られるなら、私＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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