10:50
今日は後輩と買い物。
正直、、、
めっっっちゃ楽しみ。
小中で友達いなかった私としては、
部活に入ったこともなかったので
後輩なんて以ての外だった。
だから毎回楽しみなんですよ。はい。
楽しみすぎて1時間前に着きそうになった。
「理沙ー」
聞き覚えのある声。
「真希」
後輩・禪院真希を笑顔で迎える。
「悪ぃ、待った?」
「いいえ?それ程待ってないわ。
私もさっき来たところ。」
別に嘘はついてない。
~ 1時間前 ~
まずい。
まだ集合の1時間前なのに
あと1駅で待ち合わせの駅に着いてしまう。
楽しみで早く出過ぎた。
デートに行く中学生かッッ!
私としたことが、、、
五条さん以外の人と出かけるなんて久しぶりで
舞い上がりすぎた、、、
少し時間を潰してから集合場所に行こう。
────────────────────
大丈夫、嘘じゃないから。
集合場所にはさっき来たばかり。
絶対こんなバカ丸出しの行動、
高専関係者にバレたくない。
「それじゃ、行こうか」
私は無理矢理作った笑顔で
買い物へ真希を引っ張って行った。
~ 18:28 ~
「買いすぎたなーこりゃ」
真希が笑っている。
「ふふっ、まぁ、たまにはいいんじゃない?」
そんな後輩が可愛くて思わず笑顔になる。
「自分を甘やかしてあげる時間も必要よ。
特に真希は自分を追い詰めすぎるところがある
から。」
真希は確かに努力家だけど、
努力のしすぎもどうかと思う。
いつか体や心を壊しては元も子も無い。
たまには心を癒してあげなくちゃ。
「理沙は珍しくあんま買ってねーな。
いつもは持ちきれないくらい買ってんのに。」
「今日は欲しかった物があまり売ってなかった
の。」
まぁ、元々真希を気分転換に連れて行く建前で
買い物に誘ったから
特に買いたいものなんて無かったんだけど
「だから、また来ましょ?」
これもまた真希と買い物に来るための建前。
「パンダと乙骨と狗巻も誘って。」
後輩と大人数での買い物も楽しそう。
もうすぐ入学する新1年生も誘って
みんなでどこか行きたい。
秤と星も誘って。
きっと楽しいわ。
「ふふっ」
考えるだけで笑みが零れる。
昔はこんなんじゃなかったんだけどな。
「どした?」
1人で笑う私を、
真希が不思議そうに覗き込んで来た。
「なんでもないわ。
そろそろ晩御飯食べて帰りましょうか。」
「そーだな。」
その日の夜は
楽しさの余韻に浸りながら眠りについた。
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