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面と名乗る声と話していると、内容はともかくとして、とりあえず退屈しのぎにはなった。郷田がデッキで星座を組んでいると「そんなことより神様、何をされたいのか教えてくださいませんか」と語りかけてくる。

それが分からなくて困ってる。どうしたらいいと思う? 

「私に聞かれても、その……方向さえ決めてくだされば、私なりの面で考えてみます」

 音のしない短い宇宙船翼が見える。昔よく聞いた風切り音が、耳の奥に聴こえてくるかのようだ。

何度考えても、俺の願いはたた一つ。生きて地球に帰りたい、と郷田は心で言った。

「わかりました」と面は答えたっきり黙ってしまった。郷田は再び星座を編みだす。あれとこれを結ぶと階段座、あれとあれとあれで電話座、あれとあれとあれとあれとあれとあれとあれではインターネット座……

「でもそれなら、地球に帰るのは答えじゃない気がします」と、突然面は言い出した。

彼の意図がわからない。

「私と違ってあらゆる面を持って、全知全能のあなたなら、単なる移動よりもっと大きなことができるはずです。果てしない無限の中でただの一点を探し続けるより、目的地を知ってる誰かを探してみてはいかがでしょうか。神のあなたなら、それが誰なのかご存じのはずです」

「ちょっとはいいこと言うな」郷田は手の平にこぶしを当てた。ところが、そのあとが続かない。

闇の海を見続けていると、突然、心に灯が光った。

「それは、神だ」と郷田は叫んだ。

宇宙の果ての向こう側

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