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早朝、探偵事務所の電話が鳴り響いた。

ワトリーは寝ぼけ眼で慌てて受話器を取ると、相手はポテトだった。「ワトリー、すぐ署に来て!」


「何があったのだ?」ワトリーが心配そうに尋ねると、

ポテトは声を落とし、「エイミーが…」と言い淀んだ。


言葉を飲み込む間もなく、ワトリーは電話を切って警察署に走った。署に着くと、

中はいつも以上に緊迫した雰囲気に包まれていた。

玄関に待っていたポテトが手招きする。「ワトリー、こっちだ。」


署内の一室に入ると、そこにはジョセフが待っていた。ワトリーは息を切らしながら駆け寄る。

「ジョセフ!エイミーが容疑者って、一体どういうことなのだ?」


ジョセフはため息をつき、ゆっくりと説明を始めた。

「ワトリー、昨夜の深夜に通報が入ったんだ。施設の子供がいなくなった、と。

昼間から姿が見えなくて、職員も必死に探したが、夜になっても見つからず、

ついに警察に連絡が来たというわけだ。」


「それとエイミーがどう関係あるのだ?」ワトリーは疑問をぶつける。


ジョセフは一瞬言い淀み、顔を伏せたまま続けた。

「実は、防犯カメラにその子供を連れて行くエイミーの姿が映っていたんだ。」


ワトリーの心がざわつく。「待って、ポテトも知っているのだ!

その子供はシオンの子供で、エイミーは彼女を守るために…」


ポテトが申し訳なさそうに口を開いた。「ごめん、ワトリー。

でも、その子供がシオンの子供である確証はないんだ。施設に預けられたのは幼い頃で、

シオンが母親だという証拠は…」


「でもヴィクターが言っていたのだ!シオンには子供がいると!」ワトリーは声を荒らげたが、

ジョセフが両肩に手を置き、彼をしっかりと見つめた。

「ワトリー、警察はエイミーが逃げたことと、子供を連れ去ったという証拠をもとに、

彼女を容疑者として追うことに決めたんだ。」


ワトリーは肩を震わせて反論する。「違うのだ!エイミーは無実なのだ!」

ジョセフ「ワトリーお前の気持ちはわかる、だがこれは警察の仕事なんだ」

ワトリー「エイミーは犯人じゃないのだ」と必死に抗議した。


その時、ジョセフは強くワトリーを抱きしめた、「俺たちも信じるさ。警察だって、全力で探す。

だから、ワトリー…諦めるな。エイミーを救えるのは、ワトリーなんだよ。」


「…分かったのだ!」ワトリーは力強くうなずき、警察署を飛び出した。

その後ろを追いかけるように、ポテトが「待って、僕も行く!」と駆け出していった。

ジョセフ「オレ、良いこというよな」と自分に感動し、涙目になっていた。



薄暗い早朝、ポテトがワトリーの横で不安げに尋ねた。


「ワトリー、どこに行くつもりなんだ?」


ワトリーは目を細め、きっぱりと答えた。「不良グループに話を聞きに行くのだ。」


ポテトは驚いた様子で、「こんな朝早くに?」と問い返す。


「その店は朝まで営業してるから、まだいるかもしれないのだ。」


ポテトは頷いたものの、少し不安そうだ。

「わかった、行ってみよう…(ボク、警察官だし大丈夫…だよね?)」


ワトリーとポテトはヴィクターから聞いた情報を頼りに、

不良グループがたむろしている繁華街の店に足を踏み入れた。店内は、

明るく光るネオンと大音量の音楽が充満し、朝まで遊び明かした若者たちが疲れた様子でたむろしていた。


ポテトが店員に声をかけ、不良グループの席へと案内される。

4匹のオス猫たちがテーブルを囲んで酒を飲み、楽しげに騒いでいた。



「おい、ジョージ!」店員が声を張り上げて、グループに知らせた。

「警察と探偵がきたぞ。なんか聞きたいことがあるらしい。」


彼らのリーダーらしき猫、ジョージが眉間にシワを寄せて言い放った。

「警察と探偵だと? ふざけんな、酔いが冷めるだろ。消えろ。」


ポテトは少し怯えながらも、勇気を振り絞って口を開いた。「あ、あの~」


ジョージは冷たく睨みつけ、「ああ?」と答える。


ワトリーが一歩前に出て、毅然とした口調で切り出した。

「3年前に亡くなったリーダーについて聞きたいのだ。」


ジョージは一瞬驚いたように目を細め、仲間たちも顔を見合わせる。

「リーダー?リックのことか…」 ジョージは腕を組んで、ふてぶてしく問い返した。「今更なんだ?」


ワトリー「リックはどうゆう猫だったのだ?噂では相当儲かっていたと聞いたのだ」


ジョージは軽く鼻で笑いながら、仲間と視線を交わした。

「どうもこうも、俺たちのリーダーだよ。羽振りもよかったし、

面倒見も最高だった。だがドラッグでいっちまった」


ワトリー「シオンとの関係はどうだったのだ?」


ジョージの表情が一瞬険しくなる。「シオン?あのメス猫、リックが死んだとき逃げやがって」


ワトリー「それでつけ回していたのだ?」


ジョージが目を細め、ワトリーに一歩近づく。「おれ達を疑ってるのか?冗談だろ。

ヴィクターさんから言われて、もうシオンには関わってないんだよ」


ワトリー「じゃあ、他にシオンを狙う理由がある猫に心当たりは?」


ジョージは急に目をそらし、興味なさそうに、「さあな。俺たちは関係ないね」


ワトリーはその反応を見逃さず、ジョージの前に立ちはだかった。

「何か知ってるのだ?エイミーが危ないかもしれないのだ。少しでも何か教えてほしいのだ」


ジョージはイライラした表情でワトリーをにらみつける。「知らないって言ってるだろ!もう帰れ!」

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